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就活の定番「ガクチカ」作りに自治体が協力 大阪の大学生、プロバスケの集客アップに腐心

産経ニュース / 2024年11月17日 17時0分

太子町の田中祐二町長(左から2人目)や大阪エヴェッサの磯村英孝代表取締役(右から2人目)と並ぶガクチカクラブの参加学生ら(同町提供)

就職活動に臨む学生が面接やエントリーシートで問われる「学生時代に力を入れたこと=ガクチカ」。太子町は、ガクチカに悩む大学生を支援するユニークな取り組みを四天王寺大(羽曳野市)との連携で進めている。参加企業側と協議した上で企画を考案し、就活で自らをPRできる経験を学生に積んでもらうのが狙いだ。町側は地域活性化、企業側も知名度向上が期待できるというメリットがある。

一連の取り組みは「ガクチカクラブ」と呼ばれ、昨年に続き今年で2回目。同町は四天王寺大と包括連携協定を締結しており、埼玉県などの取り組みを参考に同町が企画した。学生が中心となり、昨年はプロサッカーチームの試合の観戦者数を増やす課題に取り組んだ。

今年は12月18日に大阪市此花区の「おおきにアリーナ舞洲」で開催予定のプロバスケットボールBリーグ、大阪エヴェッサ-佐賀バルーナーズ戦で、同町在住、在勤、在学中の人を町人口の2%(約250人)以上集めることが目標となる。この試合は「大阪エヴェッサ・太子町民応援デー」と位置づけられ、同町の小中学生らは先着500人まで無料。大人も先着500人までが500円の優待価格で観戦できる。

11月ごろから四天王寺大の学生7人が本格的に参加し、宣伝動画を交流サイト(SNS)上にアップしたり、町内の公共施設で流したりするほか、ポスターや地元ケーブルテレビ局でPR活動を進め、来場を呼びかけている。

同町の担当者は「町内のスポーツ振興や健康づくり、学生との交流で人材発掘にもつながる」と強調する。大阪エヴェッサの担当者も「ベースとなるファンを増やすことができ、大人のアイデアを飛び越えた学生さんの発想も面白い」と好意的だ。町の予算はゼロ。産官学連携の場を提供することで「三方よし」を実現した。

昨年に続いて参加している四天王寺大3年の天野結規(ゆうき)さん(21)は今年、インターンシップのエントリーシートにガクチカクラブでの経験を記入したところ、企業側から「これ、何?」と関心を寄せられ、話が弾んだ。こうした経験について「目標設定の重要性、企画立案力や調整力が身に付くので非常に充実している。権利関係やスポンサーへの配慮など〝大人〟の事情も垣間見た」と語る。

天野さんは、もともと教員志望だったが、2年続けて町職員らと接するうちに公務員や民間企業の仕事にも興味を抱くようになった。その上で「場所も知らなかった太子町が身近になりました」と話している。(中野謙二)

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