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魅惑の白一色、でも降り過ぎは… 厳冬期の福島・JR只見線を訪ねて 味・旅・遊

産経ニュース / 2025年2月9日 8時30分

激しく雪が降る中、雪原を行く只見線の列車=福島県会津美里町(芹沢伸生撮影)

会津若松駅(福島県会津若松市)と小出駅(新潟県魚沼市)を結ぶJR只見線(135・2キロ)の沿線が厳冬期に入った。四季を通じて人気の路線が駆け抜けるのは豪雪地帯。冬景色も格別で国内外から足を運ぶ人は多い。今冬は、久しぶりに「冬らしい冬」になっており、関係者は苦労が絶えない。

只見線が走る福島県の会津地方は1月の3連休前や月末、今月に入っても強い寒気の影響で大雪に見舞われている。場所によっては例年の2倍以上の積雪があった。3連休中、只見線は3日間続けて一部区間で終日運転を見合わせるなど、観光にも影響した。

「雪を見たい」台湾から団体客も

福島県柳津町で温泉旅館を営む60代の男性は「ここ数年はあまり降っていなかったが今年は多い」と驚きを隠さない。男性は「会津若松駅まで来て、只見線の一部区間運休を初めて知り、電話で当日キャンセルした人もいた。大雪の度にキャンセルが相次ぐ」と困り果てている。

降り過ぎると厄介な雪だが、只見線の冬には欠かせない。近年は「ひと目、雪を見たい」という暖かい国や地域の人から特に注目されている。日本人観光客はあまり見かけない平日の午前中、只見線のビューポイント「第一只見川橋梁」登り口にある道の駅「尾瀬街道みしま宿」(福島県三島町)は、観光バスで訪れた台湾の団体客でにぎわっていた。

土産物を選ぶ人たちの多くが履いているのは真新しいスノーブーツ。只見線が走っていない時間帯でも、滑りやすい急な山道を10分ほど歩いてビューポイントまで登り、雪景色を楽しんでいた。

モノトーンの世界にカラフルな列車

「雪と列車」の写真を狙うファンも多い。冬場の鉄道写真の定番で誰もが憧れるテーマだ。ただ、厳冬期の撮影は特別な注意が必要になることもある。雪がない時期は容易にアクセスできたスポットが〝難所〟になっていることもある。

今回の取材でも、紅葉の時期には簡単に行けた撮影場所に、どうやって向かうか悩んだケースがあった。まず困ったのは駐車場所。普段、利用する駐停車スペースは除雪車が集めた雪で大きな山になっていた。離れて駐車し国道を歩いたが、道路の左右に雪の壁ができて道幅が狭く、行き交う車もあって怖かった。

道路から撮影ポイントに入るのも大変。路肩の固い雪の壁を乗り越え、膝の上まで埋まる新雪をかき分けて進み、撮影場所では周囲の雪を踏み固め撮影スペースを確保した。

苦労しただけに感動も大きかった。深々と降る雪の中は音がなく、周囲に広がるのはモノトーンの世界。特別な世界にいるかのようだった。そんな中、ディーゼルのエンジン音を響かせて通過する列車は、単調なアングルの中でカラフルなアクセントとなり存在感を発揮する。こんな非日常を感じられるのも只見線の魅力になっている。(芹沢伸生)

JR只見線

福島県の会津若松駅へは東北新幹線・郡山駅からJR磐越西線で約1時間20分。新潟県の小出駅へは上越新幹線・浦佐駅からJR上越線で約10分。東京駅から郡山、浦佐両駅までは、いずれも新幹線利用で1時間20分ほど。冬場利用する際は雪による運休などの確認を。

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