中川政七商店、自社倉庫を奈良市に開業 他社の物流も請け負い

倉庫内にはリビングが再現された撮影スタジオもある

生活雑貨工芸品を取り扱う中川政七商店（奈良市）は、これまで4カ所にあった倉庫を集約し、奈良県天理市南六条町に新たな自社倉庫「NKG倉庫」を開業した。自社だけではなく、全国の工芸事業者の物流も請け負っており、工芸業界の発展につなげたい考えだ。

NKG倉庫は敷地約1万1240平方メートル、延べ床面積約8千925平方メートルの3階建て。在庫を保管するスペースのほか、ウエブサイトで商品を通信販売するEC受発注業務を行うオフィスや、家具やキッチンを配した商品を撮影するスタジオも設置している。

これまで奈良市や同県安堵町にあった同社の倉庫4カ所を1カ所に集約することで、全国約800社の工房からの入庫手配を省力化するほか、輸送トラックのCO2排出量を76％削減できるという。また、倉庫にはトラック予約システムや自動採寸計量器を導入するなどして、ドライバーの待機時間を削減するなど、さらなる作業効率化を図っている。

中川政七会長は「新たな倉庫は、他事業者の物流を請け負う営業倉庫としての機能も果たす。複雑化する物流課題を担うことで、多くの工芸メーカーの事業発展につなげていきたい」と話している。