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売れすぎ逃避 生番組に二日酔いで大遅刻 いつもの飲み屋で女の子2人と、そしてもう1軒 話の肖像画 喜劇役者、劇団SET主宰・三宅裕司<21> 

産経ニュース / 2025年1月22日 10時0分

平成10年ごろ

《テレビ、ラジオなどの仕事で多忙な日々を送っていた三宅裕司氏。ある日、大きな失敗をやらかしてしまった》

いろいろな番組が次々にあって、本当に寝る間がない時代でした。

ラジオ「三宅裕司のヤングパラダイス」(ヤンパラ、ニッポン放送)の生放送が午前0時に終わると、日テレのレギュラーコント番組のプロデューサーが待ち構えていて、来週収録する台本の選定をします。

そしてその日は朝から20本ぐらいのコント番組の収録があるので、いつもはヤンパラに一緒に出ていた小倉久寛君が台本を覚えるのに付き合ってくれていたんです。

その日は忙しくて全然、僕は台本を覚えていない。しかも、朝からワイドショー番組「ルックルックこんにちは」が三宅裕司特集だったんです。その後、コントの収録でした。

《「ルックルック―」は昭和54年から平成13年まで日本テレビ系で平日の午前中に放映された生番組》

なのに、小倉君に「(台本を覚えるのは)今日はやめよう」って言って、「覚えるけれど、俺いったん帰るわ」と台本を持って、ニッポン放送を出ていったんです。

ニッポン放送からもらったタクシー券を持って、いつも行く飲み屋に行って飲んじゃいました。もう現実逃避ですね。その店に来ていた2人連れの女の子と飲んで、その女の子たちを連れてもう一軒行って、ガーッて飲んで帰ってきて。

朝、電話で起こされたんです。

マネジャーから「もしもし、今どこですか」。

「自宅です」

すでに「ルックルック―」のスタジオ入り時間が過ぎていました。

日テレにはコント番組収録のためにスーパー・エキセントリック・シアター(SET)のメンバーたちが来ていました。

生放送なのに三宅裕司本人がいない。そこで「ルックルック―」に急遽(きゅうきょ)、SETのメンバーが呼ばれて、僕が来るまでつないだわけです。

みんなは「三宅は朝から別の収録をやっていまして、それが押していますので」とか言ってくれてね。

ところが、やっと来た僕が酒臭いし顔が腫れているし。「すみません。きのう飲みすぎて寝坊して、二日酔いです」みたいなことを生放送で全部言っちゃって、皆さんに大迷惑をかけたんです。

当時は、SETにもなかなか関わる時間が取れなくて。演出もしていないのに、公演では僕の名前を外さないでいてくれた。感謝しています。

《平成元年ごろ、三宅氏のレギュラー番組として、ラジオは「ヤンパラ」が週4日あり、テレビは「テレビ探偵団」「イカ天」(いずれもTBS系、週1日)、7人で交代出演の「愉快にオンステージ」(NHK、週1日)、その合間を縫ってテレビドラマや映画にも出演していた》

今だから言えることですけれど、売れていないころ、アミューズの副社長になった出口孝臣さんと、絶対に売れたいから、とにかく仕事をくれ、来た仕事は全部やって勝負に勝つと約束したんです。

そういう話をしていたので、事務所も約束通り仕事を入れてくれたんでしょうね。

若いころですから、背伸びして突っ張っていました。イケイケ、ガンガンでやっていましたから。事務所としても働いてもらったほうがもうかるしね。

寝ないで働いているのが、芸能人のステータスみたいなところもありましたから。

もう少し自分のことを考えてやったほうがよかったな、というのは今、思うことであって。そのころは全くそんなことは考えていないですよね。売れたら売れ続けることを考えます。(聞き手 慶田久幸)

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