「島民の夢が実現」 佐渡金山の世界遺産決定、パブリックビューイングで地元が歓喜

「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が決まると、パブリックビューイング会場では参加者から歓声があがった＝２７日午後、新潟県佐渡市（本田賢一撮影）

インド・ニューデリーで開催中の国連教育科学文化機関（ユネスコ）世界遺産委員会が２７日、新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録を決定した。パブリックビューイングで審議の様子を見守っていた地元・佐渡市では、登録が決まると歓喜の輪が広がった。

「登録」に歓声上がる

世界遺産委に出席した花角英世知事は、県などが主催したパブリックビューイングで「登録はゴールではない。しっかり保存し、その素晴らしさを発信していきたい」と述べた。佐渡市の渡辺竜五市長も「島民の夢が実現した」と喜んだ。

２７日に佐渡市内で行われたパブリックビューイングには市民ら約２００人が集まった。午後２時前、「登録」との審議結果が流れると一斉に歓声が上がった。

「金山守り、島を豊かに」

四半世紀にわたり登録に向けた活動を続けてきた市民団体「佐渡を世界遺産にする会」の中野洸（こう）会長（８３）は「佐渡金山は世界の宝として認知された。これを守り、島が豊かになるよう頑張っていきたい」と述べた。佐渡金山を構成する資産の一つである「史跡　佐渡金山」を運営する「ゴールデン佐渡」の鈴木徹社長（６２）も「（構成資産を）管理する立場からも光栄だ」と喜んだ。

韓国は、佐渡金山全体の歴史を説明・展示する取り組みの強化を求めた上で、登録に賛同した。中野氏は「韓国も最終的には登録を認めてくれた。韓国といかに仲良くやっていくかは、われわれの大きな責務」と語った。