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観光公害解消のカギは「海路」 クルーズ船旅客を小型船で輸送、京都で実証事業

産経ニュース / 2024年7月31日 12時11分

小型船までの動線を点検する関係者ら=京都府舞鶴市の舞鶴港(国土交通省近畿地方整備局提供)

国土交通省などは京都府舞鶴市の舞鶴港で、クルーズ船の旅客を小型船を使って海路で近隣の観光地まで運ぶ実証事業を行った。クルーズ船が寄港する舞鶴港から訪日客に人気のある伊根町や宮津市への移動は現在、バスなどの陸路が中心。しかし路線バスの混雑などのオーバーツーリズム(観光公害)が発生する現状を踏まえ、輸送手段の分散化が必要と判断した。

7月9日に行われた実証事業には国交省港湾局や近畿地方整備局のほか、府、舞鶴市、宮津市、伊根町などの関係者約40人が参加。クルーズ旅客を受け入れる舞鶴港第2埠頭(ふとう)の旅客ターミナルの施設配置や、乗り換える小型船が接岸する桟橋までの動線を確認した。

その後、150人乗りの小型船に乗って伊根町までの約25キロと、伊根町から宮津市の天橋立までの約15キロの計約40キロの海上ルートを実際に航行。景観や所要時間、快適性を検証した。

整備局によると、舞鶴港に寄港するクルーズ船の旅客の一部はバスや鉄道などを使って伊根町の舟屋群や、宮津市の天橋立へ観光に向かう。府北部を代表する観光地の舟屋群と天橋立は国内客だけでなく、近年は訪日客の間でも人気が高まっている。

ただその一方で、運転手不足で観光バスが十分に手配できないことに加え、押し寄せた観光客で宮津市と伊根町を結ぶ路線バスが混雑したり、周辺の道路で渋滞が発生したりするなど、オーバーツーリズムも顕在化しているという。

舞鶴港には今年12回のクルーズ船の寄港が予定されている。新型コロナウイルス禍前の令和元年には34回寄港しており、コロナ禍の収束に伴って今後は寄港回数の増加が見込まれる。

整備局の担当者は「実証事業では問題は見当たらず、小型船による二次輸送の有用性が確認できた」と説明。「海上からの景色もよく、小型船を利用したクルーズ旅客向けツアーの造成につながれば、オーバーツーリズムが緩和される可能性がある」としている。(橋本亮)

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