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夢の給料制でレベルアップしたのに…あれ? 入団した有望新人、岸谷五朗さんと寺脇康文さん 話の肖像画 喜劇役者、劇団SET主宰・三宅裕司<19>

産経ニュース / 2025年1月20日 10時0分

「新約・JAPAN書紀~日本の歴史からJAPANの歴史へ~」では劇団員全員が初の津軽三味線に挑戦=平成3年

《人気沸騰のテレビ・ラジオの出演に舞台の盛況もあり、「スーパー・エキセントリック・シアター(SET)」のレベルを上げるため、ついに夢の実現に乗り出した》

(劇団員たちの)アルバイトを増やせば芝居の練習時間が少なくなり、レベルも上がらない。稽古の時間を確保すれば、アルバイトができなくなり、生活が成り立たず退団してしまう。

じゃあ、どうすればいいのか。劇団がバイト代の代わりに給料を出すしかない、という結論になりました。

事務所(アミューズ)の社長に、(SETを)給料制にしたいんですと掛け合いました。そして、僕がテレビやラジオで稼いだお金のうち、取り分の一部を劇団員に回すことで話がつきました。

ついに夢だった給料制が実現しました。レッスンが増えたおかげで、芝居のレベルがどんどん高くなりました。

《平成3年の「新約・JAPAN書紀~日本の歴史からJAPANの歴史へ~」では、劇団員全員が初めての津軽三味線に挑戦した。1年かけて練習した末、エンディングで一斉に「津軽じょんがら節」を演奏して、大きな拍手を受けた》

でも、毎月給料が来るというので、人間というのは怠け者になるわけですよ。劇団員にハングリー精神がなくなってきたというふうに僕には見えたんですね。

「まずいな」と感じていたら、事務所もこれは不健康な給料制だと思い始めました。

SET以外の仕事をやっていない劇団員に給料を払うことをずっと続けていいのだろうか。劇団を一生懸命やっているからもらえる給料だと思ってしまうと、その役者にとってもよくないことなんじゃないのかということで、しばらくして給料制をやめました。

売れたいと思っている人が集まる芸能界にいる限り、個人個人が頑張って仕事をもらえるようにならなければいけないんだと自分にも言い聞かせました。

《人気が上がると入団希望者も増えてきた。岸谷五朗氏や寺脇康文氏ら、現在も活躍する有望新人が入団してきた》

岸谷君と寺脇君、それに山田幸伸君の3人で「SET隊」(せったい)というお笑いグループを作って売り出しました。

お笑いコンビのダウンタウンさんなどと同時期です。あのあたりの人たちと番組を一緒にやっています。

SET隊はその当時、すごい人気で、ダウンタウンにも全然負けていなかったですね。コントもできるタップもできるお笑いグループですから。

あいつらは頑張ったんですよ。ただ、お笑いの世界はなかなか難しい。喜劇役者とは違いますから、彼らが本当にやりたい方向性ではなかったんでしょうね。今の2人を見ているとそう思いますね。

《岸谷氏と寺脇氏は、SET退団後、演劇企画ユニット「地球ゴージャス」を結成し、舞台、テレビ、映画などで幅広く活躍している。岸谷氏は映画「月はどっちに出ている」(崔洋一監督)で数々の映画賞を受賞した。寺脇氏はテレビドラマ「相棒」(テレビ朝日系)で人気を高めた》

今は、歩合制というか自分がやった仕事の分と、SETでのステージ数でギャラを出しています。(聞き手 慶田久幸)

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