「笑い飯」哲夫さんきっかけでコメ作り 後輩サルインさん出版の「稲作ライブ」が描く農業
産経ニュース / 2024年11月29日 12時13分
「まっすぐにガーッと田植え機を走らせ」「沼のようにぬちゃぬちゃになった田んぼに入って」…。吉本興業所属の芸人で奈良市在住のサルインさん(33)が、緩い言葉でコメ作りの楽しさを伝える「稲作ライブ おもしろくてたいへんな田んぼの一年」(くもん出版)を出版した。自らの体験を自筆のイラストとともにつづっており、「小学生に読んでもらい、農業のことを知ってほしい」と話している。
サルインさんは石川県津幡町出身。奈良教育大に進んだことから奈良市に住むようになり、NSC(吉本総合芸能学院)を経て平成27年にデビューした。
大阪の高層ビルに囲まれ過ごすうちに、自然に触れたくてうずうずするように。先輩芸人のエナジー西手さんに誘われて、29年にお笑いコンビ「笑い飯」の哲夫さんの田んぼを手伝ったのがきっかけで、コメ作りにはまった。
著書は、田んぼにあぜを作ったり、水を引いたりする田植え前の作業から、稲刈り後のわらの処理といった収穫後の作業までをユーモラスな文体で表現。得意のイラストを添え、楽しさを伝えている。
田植えでは、田植え機が細かな作業に適さなかったり田んぼの四隅の作業が不得意だったりで、植え残しが発生したため、手で植えることに。「沼のようにぬちゃぬちゃになった田んぼに入って、苗を中腰で植えるしんどさは、はんぱじゃない」と嘆き、田植え機の植え残しがちな場所を示すイラストを付けた。
稲刈りでも、収穫機械のコンバインの仕組みを説明しつつ、「哲夫さんがコンバインに乗って稲刈りをしている間、ぼくらはけっこう休んでいました。すいません」とオチをつけている。
サルインさんは「緩い感じで農業を楽しく学べる一冊で、ぜひ小学生に読んでほしい。農業を知ることで、食育にもつながり、コメを大切にして食べ残しはだめ-という考えにつながるとうれしい」と話している。1冊1650円。
◇
出版を記念し、サルインさんのイラスト展が30日まで奈良県三宅町伴堂の同町交流まちづくりセンター「MiiMo(ミーモ)」で開かれている。(平岡康彦)
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