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富士山頂は大混雑、登山道で仮眠やたき火…「いつか大事故」 山梨のゲート設置は苦肉の策

産経ニュース / 2024年6月17日 14時48分

富士山の入山規制ゲートに鍵を取り付ける作業担当者=17日、山梨県富士吉田市(平尾孝撮影)

山梨県が17日、富士山の山梨側登山道「吉田ルート」の5合目にゲートを設置した。初めて開始した入山規制は、深刻なオーバーツーリズム(観光公害)への苦肉の対策だ。昨年の頂上付近の大混雑や登山道でのたき火といったマナー違反などに対し、条例を制定してまでして、本腰を入れた対策に乗り出す。

昨シーズンの山梨県側ルート「吉田口登山道」からの登山者は前年同期に比べ約4割増えた。新型コロナウイルスの感染が落ち着きをみせ、訪日外国人観光客が回復したことなどが背景だ。そのうえ、山小屋の収容人数は約1900人と、コロナ前の約3200人収容から約4割減った。かつてのほぼ雑魚寝の状況から、コロナ対策で始めた個室化や就寝スペース確保を継続したためだ。

その結果、山小屋に宿泊せず、夜通し登り続ける「弾丸登山者」が増えた。トイレなどの山小屋の施設に勝手に入り込んで寒さをしのいだり、登山道で仮眠したり、たき火したりするなどのマナー違反が数多く発生。この様子が国内だけでなく海外メディアでも繰り返し報道された。さらに山頂付近の混雑に、山小屋関係者は口をそろえて「いつ大事故が起きてもおかしくない状態」といい、抜本的な対策が求められた。

登山道は道路法で定められた道路であるため、これまで通行を制限するような登山規制は難しかった。そこで県は条例を制定し、県道である登山道の一部を道路ではなく、県の施設とすることで、県の権限で規制をかけることができるようにして、ゲートで入山者数や時間帯をコントロールすることとした。

これまで山小屋の宿泊予約以外はほぼ事前手続きが不要だった富士登山だが、今シーズンからは時間帯、登山者数の規制に加え、ゲート通行料2千円の支払い義務化など、山梨県側からの仕組みは大きく変わる。これまで全体の6割強を占めている山梨県側からの登山者が、規制導入で静岡県側のルートに切り替える可能性もあり、関係者は開山以降の動向を注視している。(平尾孝)

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