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祇園祭の鶏鉾の稚児人形、実は正座ができた

産経ニュース / 2024年6月28日 16時21分

立った状態の稚児人形=京都市下京区

祇園祭前祭(さきまつり)の山鉾(やまほこ)巡行に参加する鶏鉾の稚児(ちご)人形が正座できることが分かった。立つことしかできないと考えられていたが、人形の修復過程でこうした機能が判明し、鶏鉾保存会(京都市下京区)が27日に発表した。鉾にはかつて生稚児(いきちご)と呼ばれた子供が乗っており、人形を立ったり座ったりさせることで、その姿に近づけようとした可能性がある。同保存会の坂本篤史代表理事(56)は「約50年お祭りに関わっているが、座れるなんて誰も思っていなかった」と驚きを隠さない。

人形に亀裂や汚れがあり、左目が陥没していることなどから美術院(京都市下京区)が修復を進めていた。足裏から胸のあたりまでを貫く鉄芯を通して人形は立っていたが、鉄芯を抜くと関節部分が動き、折り曲げられることが分かった。人形は立つと高さ約130センチだが、正座すると約83センチで、保存箱にちょうど収まるサイズだった。

調査に携わった追手門学院大の淺湫(あさぬま)毅教授(日本彫刻史)は「脚部が太ももの付け根や、膝など3つのパーツに分かれていることから座れることは予測していた」と話した。

さらに像内前部や鉄芯の墨書から、人形は幕末の文久3(1863)年の制作と判明した。淺湫教授は「生稚児は立ったり座ったりしているので、人形でもそれを再現しようとしたのではないか」との見方を示した。

同保存会では7月13日午前10時~午後9時、町会所で正座した稚児人形を公開する。(田中幸美)

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