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「住民第一主義」たゆまぬ努力 日野署日野橋駐在所・伊豆本龍朗警部補(56) 都民の警察官

産経ニュース / 2024年8月14日 19時52分

駐在所近くの保育園で園児らと話す伊豆本龍朗警部補=7月23日、東京都日野市(塚脇亮太撮影)

日野署一筋37年。持ち前の優しい語り口と柔和な笑顔で、駐在所勤務員を29年にわたり務めてきた。「住民第一主義」をモットーに、地域の行事に積極的に参加。住民との交流を図っている。

警察官となったのは「偶然」だった。高校3年で進路を考えていた際に、当時の体育教師から素質を見いだされ、採用試験を受けた。

昭和62年、警察学校卒業と同時に日野署へ配属されるも、いきなり壁にぶつかった。住民からひよっこ呼ばわりされるなど、「日野の人はよそ者に厳しい」と最初は感じたという。

それでも溶け込む努力は惜しまなかった。駐在所に移った平成7年以降、毎月1回を目標に、管内で発生した犯罪の特徴や被害防止方法などをまとめたオリジナルの新聞「つばさ」を発行。発行した数は今年6月までで266回に及ぶ。自ら現場に赴き、事件や事故を分析して内容に反映させている。

始めた当初はすべて手書き。字がきれいな妻、朋子さんにも協力を仰ぎ、イラストはトレーシングペーパーで書き写すなどして制作した。今はパソコンを使用するが、完成までに1週間かかる。地道な作業も「毎月、楽しみにしています」という住民の声が原動力になっているという。

普段のパトロールにも力を入れている。毎日の登下校時は交通整理で通学路に立ち、昼間は特殊詐欺や万引の警戒のため、郵便局やコンビニを回る。根底には「事件や事故を発生する前に防ぎたい」との思いがある。

長年培った住民との信頼関係は、事件解決につながったことも。平成6年に起きた連続放火事件では、炎が上がるダスターボックスと不審な男を発見。消火を住民に依頼し、自身は男の職務質問に回ったことで、被害拡大防止と犯人検挙に至った。

「私はあくまでも『日野市民の警察官』です」。たゆまぬ努力が評価された章にも謙遜する。「章に恥じぬように、身を引き締めて頑張りたい」と今後も日野市民のために、汗をかく覚悟だ。(塚脇亮太)

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