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学んで開発 恋する和菓子 京の老舗と学生タッグ、斬新メニュー続々登場

産経ニュース / 2025年2月7日 12時39分

源氏物語をテーマに、鶴屋吉信と嵯峨野高の生徒の意見を取り入れて製作した「紫の想ひ」(鶴屋吉信提供)

14日のバレンタインデーを前に、京都の和菓子店で大学生や高校生と共同開発した特別商品や限定商品が続々と登場している。若者の「和菓子離れ」が一部で叫ばれる中、その歴史や伝統的技術を駆使した製作の現場を知ってもらう狙いがある。和菓子店側も、業界の常識を覆す若い世代のアイデアや視点を商品に取り入れることで、交流サイト(SNS)を通じた発信強化や消費拡大を目指す。

デコってSNS映え

「自分好みに自由にアレンジできるといいな」「友人や家族と一緒に楽しめる商品にしたい」

享和3(1803)年創業の老舗、亀屋良長(京都市)と同志社女子大食物栄養科学科の学生が開発したのは、「映え」と「推し活」をテーマに、同店の人気商品をアレンジした「スライスようかん【好】」と「同【推】」だ。20代女性がターゲットという。

シート状にしたあずきとカカオが半々の羊羹(ようかん)と、「好」または「推」の文字とハート形の羊羹がセット。マシュマロやチョコペン、果物などを用意してデコレーションし食パンに乗せて焼けば、見た目も味も楽しめる世界で一つだけのオリジナル羊羹トーストの完成だ。

同学科の授業の一環で和菓子の歴史を知る座学から製造体験、小豆栽培なども学び、半年以上かけて練り上げた。亀屋良長の担当者は「SNSへの投稿や友人たちに見せることを念頭にした学生さんならではのアイデアを取り入れた」。開発に加わったチームリーダーの鹿礒彩音さん(21)は「Tシャツやポーチを自分らしくデコるように和菓子もできたらと考えた。和菓子といえば『お茶会』のような特別なイメージがあったが、商品開発を通じて身近なものだと感じることができた」と振り返った。

自分へのご褒美に

近畿大(大阪府東大阪市)は経営学部のゼミで「若者の和菓子離れを食い止める」をテーマに、人気店の御生菓子司ふたば(京都府精華町)とタッグを組み、共同での商品開発を年1~3回のペースで展開している。昨年に続き、2回目となるバレンタインデーに焦点をあてた今年の限定商品は「恋する和モチ」。生チョコレートを求肥でハート形に包んだ、バレンタイン限定商品だ。

大切な人への贈り物としてだけでなく、自分へのご褒美として手に取ってほしいという視点を取り入れ、団子のように串に刺すことで食べやすさにも配慮。試作やパッケージ制作、販売促進なども学生が手掛け、商品販売を学ぶ貴重な機会になっているという。

バレンタインに最適

老舗の鶴屋吉信(京都市)は京都府立嵯峨野高校と共同で、生徒が授業で学んだ源氏物語と枕草子をテーマにした2つの新商品「紫の想ひ」「春はあけぼの」を開発。生徒と和菓子職人がデザインや素材、風味などについて何度も話し合った。

和菓子業界では青色は食欲を減退させるとして商品には用いられない傾向が強いが、生徒の意見もあり取り入れることを決定。鶴屋吉信の担当者は「新鮮なアイデアが次々と寄せられ、職人たちも刺激を受けてモチベーションのアップにつながった」と喜ぶ。

バレンタインに焦点を当てた商品企画ではなかったものの、特に「紫の想ひ」は光源氏が恋する女性に思いを寄せる姿を表現した商品パッケージで、恋みくじも同封するなどこの時期にもぴったりな商品だといい、担当者は「ぜひバレンタインデーの贈り物としても手に取ってみてほしい」と話している。(杉侑里香)

各商品は期間や数量限定で販売されている。詳細は各店舗のホームページやSNSで。

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