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「ツェッペリン号」で専門家がトークセッション 95年前に茨城飛来、歴史的背景など語る

産経ニュース / 2024年10月9日 16時0分

トークセッションに参加した(右から)清水亮さん、高野史緒さん=茨城県土浦市大和町

昭和4年、当時の霞ケ浦海軍航空隊(現在の茨城県阿見町)へ飛来したドイツの大型飛行船「ツェッペリン伯爵号」について、その歴史的背景や当時の世相などをテーマとしたトークセッション「ツェッペリン伯号と湖都・土浦を語る」が同県土浦市民ギャラリーで開かれた。市民ら約160人が来場し、95年前に全国的な話題となった一大ニュースへと思いをはせた。

■見物客連日30万人

セッションは、土浦市の老舗料亭「霞月楼」の所蔵する歴史的資料を紹介する「霞月楼所蔵品展」会場で最終日の9月29日に開催。土浦が舞台のSF小説「グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船」の著者、高野史緒さんと、霞ケ浦海軍航空隊と土浦の関わりなどを記した「『軍都』を生きる 霞ケ浦の生活史 1919~1968」の著者で、慶応大専任講師の清水亮さんの2人が登壇し、トークを繰り広げた。

ツェッペリン伯爵号は世界一周の途中だった昭和4年8月19日の午後6時過ぎ、霞ケ浦海軍航空隊へ到着。滞在先に選ばれたのは、飛行場に第一次世界大戦で戦勝国の日本が敗戦国・ドイツから押収した巨大な飛行船の格納庫があったためとされる。

5日間の滞在期間中、巨大な飛行船を見物しようと、各地から連日30万人もの人が押し寄せたともいわれている。

■かつては空の港

高野さんは「着陸後、格納庫の脇で(航空隊による)歓迎の宴会が催された。そのとき振舞われたのがカレーだったのではないか」と現在、土浦で名物として親しまれている〝ツェッペリンカレー〟の起源について推測した。

清水さんは「当時の霞ケ浦航空隊は絵はがきにも登場する観光名所だった。世界の〝空の港〟でもあり、各国から世界一周を目指す飛行機が立ち寄った。その最後のブームのころ、ツェッペリン号が飛来した」と当時の様子を紹介した。

■直後に世界大恐慌

また、高野さんは「ツェッペリン号がきた1929年10月には世界大恐慌が起きた。もし、計画が3カ月ほど遅かったら、恐慌で日本への飛来計画はつぶれていたかもしれない」と指摘。

清水さんは「土浦でアンケートを取ると、歴史的に懐かしいものとして航空隊の名をあげる人は多く、その流れは今も緩やかに続いている。航空隊が大正時代から存在し、文化や文明とかかわる入り口でもあったからではないか」との見方を示した。

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