1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

エコス、ベイシア…スーパーのこだわりスイーツ エンゲル係数高めの今、節約疲れ癒やす

産経ニュース / 2024年12月20日 7時30分

食品の値上げが相次いだ令和6年。節約ムードが広がるなか、ささやかなぜいたくを味わえるスーパーのオリジナルスイーツが人気を集めた。専門店並みの味や見栄えを目指して店内で手作りし、100~300円程度で販売。節約疲れの日常の癒やしとなっている。

焼きたてシューにクリームたっぷり

さくっと焼き上がった生地の中に、バニラビーンズ入りのカスタードとホイップ。黄色と白のクリームがきれいに絞られ、シューの切れ目からのぞく。これが1つ171円。

関東圏を中心に138店を展開するスーパー「エコス」グループのオリジナルスイーツ。22店で生地を毎日焼いて作る。

「専門店の品質を、毎日買い物に来るスーパーで目指した。手に取りやすい価格を意識した」と語るのは、エコス生鮮食品部のチーフバイヤー、関口浩さん。シュー生地の焼き加減は試作を重ね、開発に半年かけたという。

物価高が連日話題となった令和5年9月、「関口シェフのクッキーシュー」の名前で売り出すと、月に4000個ほど売れるヒット商品に。6年9月、全国のスーパーが自薦した364品から消費者が投票で選ぶ「全国スーパーマーケット おいしいもの総選挙2024」で、スイーツ部門の最高金賞に選ばれた。

スイーツ部門では、ほかにハローズ(本部・岡山県)のりんご半分を使ったデニッシュ(150円)などが金賞を受賞。安価で本格派なスイーツが並んだ。

新鮮な生フルーツパフェ、300円ちょっとで

切りたてのイチゴ、パイナップル、ブドウなどを盛ったパフェを322円で提供するのは、ベイシア(前橋市)だ。クリームたっぷりのクレープと合わせ、令和以降、店内調理のスイーツの展開を強化してきた。

クレープはチョコ味とイチゴ味のミニサイズ2個組みが214円、ホイップたっぷりのものが324円。最初は数店で始めたが、現在はクレープは65店、パフェは51店で販売している。

食費の節約が広がるなか、いずれも売れ行きは好調だという。「価格(の安さ)に相反するボリューム感、デザートのごちそう感があるといわれます」とはパフェ担当の同社青果部バイヤー、櫻井啓太さん。

ベイシアでは一部店舗のフードコートでもクレープを調理して販売するが、スーパーの売り場に並べておくほうが「圧倒的に売れる」(第一惣菜部、堀本賢史さん)という。

「フードコートだと、注文から出てくるまでに少し待つ。売り場に並んでいるものは、タイムリーに手に取ることができる。価格のリーズナブルさだけでなく、タイムパフォーマンスの面でも支持されているようだ」と堀本さんは説明する。

エンゲル係数高まり節約ムードに

支出のうち食費に使われた割合を示す「エンゲル係数」の高さも、今年は話題となった。令和6年は1~10月の平均で、28.1%。20年前と比べて5ポイント高く、昭和50年代後半あたりの値に近かった。内閣府の消費動向調査では、消費者の9割が「(今後も)物価が上昇する」と答えている。

「消費者のコストパフォーマンス(価格に価値が見合うか)への意識が高まっていて、自分へのご褒美として買うスイーツにもその傾向が見られる」と話すのは、洋菓子メーカー「モンテール」の広報担当、関根裕美さんだ。

同社が今年2月に発表した「スーパー・コンビニ スイーツ白書2024」(男女1000人が複数回答)によると、スイーツ購入場所の1位はスーパー(61.7%)に。3位専門店(25.5%)の2倍以上で、コンビニ(51.5%)も上回り、ふだん食べるスイーツの主な購入場所となっていた。

スーパーのスイーツの魅力では、回答のトップが「価格」だった。2番目の魅力に上がったのは「味・おいしさ」。安くておいしいスーパーのスイーツは、節約疲れの癒やしとなっているようだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください