発電の熱 レトルト食品に活用 SDGs 今、未来のために
産経ニュース / 2024年6月12日 9時0分
レトルトカレーやルーなどを製造するハウス食品の静岡工場(静岡県袋井市)に、都市ガスを使って発電する大規模な「ガスコージェネレーションシステム」が整備された。グループの8社18拠点に電力を融通した上で、発電時に生じる熱をレトルト食品の加工などに再利用。エネルギーを無駄なく使うサステナブル(持続可能)な試みといえそうだ。
同グループによると、システムはJFEエンジニアリングと提携して整備した。発電能力は一般家庭の約1万2千世帯分に相当。大型火力発電所のエネルギー効率は40%程度とされるが、発電時の排熱を温水や蒸気として活用することで、これを約85%にまで高めた。
同工場は、レトルトカレー製造で国内最大規模を誇り、「咖喱屋カレー」や「北海道シチュー」など消費者になじみ深い商品を生産している。クッカーと呼ばれる大釜で煮込んだり、殺菌したりといった工程に、多くの蒸気や温水が必要となるため、同システムとの相性が良く、導入の決め手となった。
導入に伴い、二酸化炭素(CO2)排出量を年間で約5300トン削減できる見通し。食品を扱う同グループは「人と地球の健康」をスローガンに、令和32(2050)年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現を目指している。
ハウス食品グループ本社の佐久間淳取締役は「未来のため、気候変動への対応と資源循環社会の実現に、これからも邁進(まいしん)していきたい」と話している。
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