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愛され半世紀、細部までこだわり 京都・二葉家具のソファにグッドデザイン賞 

産経ニュース / 2024年11月26日 16時26分

グッドデザイン賞を受賞したソファに座る井尻浩行社長=京都市中京区

二葉家具(京都市中京区)が半世紀にわたって作り続けるソファが、日本デザイン振興会主催の今年度のグッドデザイン賞を受賞した。和の住空間や小柄な体形の人にもフィットするサイズ感に加え、シンプルで無駄がなく、細部まで丁寧に作られている点などが評価された。

受賞したのは同社の「コンパクトソファーセット FUTABA ORIGINAL Mシリーズ」。日本の家具デザインの創成期を支えたインテリアデザイナーの水之江忠臣氏と同社が手がけ、昭和43年から販売を始めた。

Mシリーズは座ると沈み込むタイプではなく、適度な硬さがあり、背中をしっかりと支えられるのが特徴。無駄な装飾を省き、シンプルで人間工学に基づいた構造となっている。国産のナラ材を使って、1~2人用ソファとテーブルなどを、京都市北区の工場で受注生産している。

同社と水之江氏の接点は京都会館(現ロームシアター京都、同市左京区)の建築がきっかけ。会館のインテリアデザインを水之江氏が、家具工事を同社がそれぞれ手がけたことが縁となり、ソファの製作が始まった。水之江氏は何度も設計図を書き直し、試作品を作り直すなどして完成までに約2年を費やしたという。

50年以上も愛され続けるソファは優れた耐久性も評価された。井尻浩行社長(56)は「張り替え修理を受けるたびに、きちっと残していかなければと決意を新たにする。ずっと作り続けていきたい」と話した。(田中幸美)

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