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絵画でたどる神武信仰 橿原神宮で「描かれた神武天皇」展、肖像画からたばこのパッケージまで

産経ニュース / 2024年9月19日 18時29分

大正9年の国勢調査を記念して発行された神武天皇の絵はがき

建国の祖とされる初代・神武天皇の肖像画や彫像などを紹介する企画展「描かれた神武天皇」が、奈良県橿原市久米町の橿原神宮宝物館で開かれている。同神宮が祭神とする神武天皇は「東征神話」とともに「神武さん」として信仰を集める。企画展では、弓にとまる金色の鵄(とび)を描いた神武天皇を象徴する絵画や、皇紀(紀元)2600年(昭和15年)を記念したたばこのパッケージなど約30点を展示。同館は「神武天皇が近代以降、どのように信仰され身近な存在だったか知ってもらえれば」としている。11月24日まで。

明治23年創建の同神宮には神武天皇の肖像画などが数多く奉納され、皇學館大の長谷川怜准教授や学生らが詳細に調査。企画展では、時代とともに変遷する神武天皇像について解説しており、掛け軸など初公開も多い。

神武天皇は弓を手にした武人像が最もよく知られるが、明治時代初めごろまでは静かに鎮座した神様の姿で描かれ、同県田原本町の多(おお)神社の掛け軸などが伝わる。明治末になって、橿原神宮の崇敬者に配布された掛け軸に武人像が描かれたのを機に構図が大きく変化。建国のため東征に赴く勇ましい姿になり、ナガスネヒコとの戦いを勝利に導いた金鵄が弓にとまる構図が象徴的に描かれるようになった。

戦時中には国威発揚の意味もあって神武信仰は高まり、昭和15年の皇紀2600年に合わせて同神宮への絵画の奉納も盛んになった。会場に展示された高さ185センチの大作は画家30人によって描かれた。当時は伊勢神宮や橿原神宮、隣接する神武天皇陵の巡拝ツアーもあり、鉄道会社のチラシも展示されている。

神武天皇は、大正9年の国内初の国勢調査の際にも登場。啓発用に製作された記念絵はがきや国勢調査員が身に着けるメダルに描かれた。長谷川さんは「神武天皇は、人々が日本国民であることの自覚を高める大きな存在だったことがうかがえる」と話す。

一般500円、小学生以下無料。平日は午前10時~午後3時、土日祝日は午前9時~午後4時。問い合わせは同神宮(0744・22・3271)。(小畑三秋)

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