相次ぐ飛行機事故、世界の航空史上でもこんな例はあるまい 昭和41年「サンケイ抄」 プレイバック「昭和100年」
産経ニュース / 2025年1月26日 8時50分
〝四(死)の金曜日〟の飛行機事故がくりかえされたと思ったら、またしてもBOAC機の墜落である。四日に日本をおおった濃い霧にひきかえ、五日ひるの空はさわやかに青く澄み、春の太陽がかがやいていたのにと、つくづく天を仰ぎたい気持ちだ。
▼遠くの大火より近くのボヤ、という。ニュースとはこういうものだというたとえだが、外電欄の片隅にしばしばのっている飛行機事故はつい見すごしても、僅か二十四時間のうちに近くでこれだけの大惨事がおこったというショックは、たしかにものすごい。そのうえ、この間に、一か月前の事故の遺体捜索をしていた海上保安庁ヘリコプターの墜落まで、はさまっている。
▼世界の航空史上でもこんな例はあるまい。それだけに、当分〝飛行機不信〟の論議が出ることも考えられる。一日にガンで死ぬ日本人が三百数十人、交通事故で死ぬ人が三十五人。これにくらべれば飛行機事故の確率ははるかに低いのだが、そうは頭でわかってもなんとなく無気味さをふっ切れぬのが、人間かも知れない。
▼しかし、日進月歩の技術革新の時代に、いたずらに〝機械〟に不信の念を持つのも賢明とはいえまい。こんどの事故の原因はまだわからないが、カナダ機の事故につながったのが羽田の〝霧〟と〝せまさ〟と、悪天候のときすぐ利用できる代替空港のない〝手薄さ〟であることは、はっきりしている。
▼それなら、まずこういう難点を打開することが、先決だろう。気象条件のいい、広い、すぐ海上に出られるところに新国際空港をつくれば、安心度はうんと高まるはずだ。それなのに新空港候補地が富里に内定しながら、建設がいまだに〝五里霧中〟なのは、こまる。
▼政府も、こんどは重い腰をあげたようにみえる。新空港建設の閣僚協議会もスタートするし、五日には佐藤首相が衆院予算委で、はっきり富里案でいく姿勢を明らかにした。霞ケ浦案にも種々未練は残るし、富里の地元に反対が強いのが気がかりだが、あらゆる角度からみてほかに候補地がないと信ずるなら、政府も腹をすえて地元を説得し、早期着工にこぎつけてほしい。後悔先に立たず、ということを、忘れないように。
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