「生活費かかる」夏休み廃止や短縮を希望する困窮世帯が60% 民間団体アンケートで判明
産経ニュース / 2024年6月26日 16時18分
貧困問題に取り組む認定NPO法人「キッズドア」(東京)は26日、困窮世帯にアンケートを行った結果、小中学生のいる世帯の計60%が子供の夏休みを負担に感じ、短縮や廃止を希望していることを明らかにした。理由は「子供が家にいると生活費がかかる」が最多だった。夏休みは学校の給食がなく、自宅で食事を用意する必要があるためで、同法人は長引く物価高騰の影響で家計が厳しくなっていると指摘している。
調査は、5月27日~6月3日にインターネットで行い、子供の夏休みへの負担感などについて、小中学生がいる約1400世帯が回答した。
夏休みは「なくて良い」が13%、「短い方がよい」は47%だった。理由を複数回答で尋ねると、「生活費がかかる」が78%▽「給食がなく、昼食準備に手間や時間がかかる」が76%▽「特別な経験をさせる経済的余裕がない」が74%▽「給食がなく、必要な栄養がとれない」が68%-などが続いた。半数以上の世帯が、家族旅行など夏休みの予定は「特にない」と答えた。
物価高騰の影響では、特に所得が300万円未満の世帯で、子供の健康を維持するための食事が十分に取れず、病気にかかりやすいとか、身長が伸びないといった子供への深刻な影響が出ていることも分かったという。
経済的な余裕がないことで夏休みの娯楽を楽しめず、塾や習い事などの経験にも格差が生じているとし、同法人の渡辺由美子理事長は26日の記者会見で「命をつなぐことが難しい困窮家庭へ早急な対応が必要だ」と訴えた。(村田幸子)
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