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伝説の女性・中将姫ゆかりのお経読み解く 当麻寺中之坊貫主が解説本発刊

産経ニュース / 2024年11月27日 10時46分

奈良県葛城市の当麻寺中之坊には、奈良時代に同寺で曼荼羅を織ったとされる伝説の女性、中将姫(ちゅうじょうひめ)が書写したというお経が残っている。筆跡をなぞる写経もできるようになっており、松村實昭貫主はその内容を分かりやすく伝えようと、解説本「當麻寺中之坊称讃浄土経を読み解く」(西日本出版社)を発刊した。

経典は「称讃浄土仏摂受経(しょうさんじょうどぶつしょうじゅきょう)」といい、中将姫が拠り所としたことから「中将姫願経」とも呼ばれてきた。長さ約5メートルの巻物で伝わっており、出版を記念し今月30日まで中之坊霊宝殿で特別公開している。

解説本では、経典に説かれる極楽世界について知るだけでなく、実際に思い浮かべてイメージを膨らませるよう呼びかける。釈迦が弟子に説く極楽は、池に色とりどりの蓮が咲き、美しい音楽も聞こえてくる素晴らしいところとして描写されており、解説本はこの世界を体感することをすすめる。さらに、「信受」という言葉について仏さまの加護を信じて教えに思いを凝らすことであると説き、その大切さを示している。

松村貫主は「多くの人に読んでもらい、仏の世界を感じることで安らいでいただきたい」と話している。

解説本は全15回の写経のうち1回分の写しも付いている。税込み2970円で、主な書店で販売している。

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