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警察狙った爆弾テロ相次ぐ 警務部長の家族が犠牲に 警視庁150年 58/150

産経ニュース / 2024年8月6日 7時0分

土田国保

エスカレートする爆弾闘争の標的は警察に向けられ、警察幹部や施設が相次いで狙われた。昭和46年8月、東京都千代田区の警視総監公舎に男が侵入し、手製の時限爆弾を仕掛けようとした。警戒中の警察官が発見し、取り押さえようとしたが、男は逃走した。

年末、最悪の事件が起きる。12月18日、当時警視庁の警務部長だった土田国保の自宅にお歳暮を装った小包爆弾が届き、受け取った妻が死亡。中学生だった四男が重傷を負う悲劇に見舞われた。

同日、土田は自ら記者会見に臨み、こう話した。「この凶行を犯した犯人たちに呼びかけたい。君らは卑怯(ひきょう)だ」。そしてこうも語った。「家内が都民や機動隊の身代わりになったというなら私は満足。首都の治安維持につとめる」。産経新聞の連載企画『凛(りん)として』によると、出席した記者からすすり泣く声が漏れたという。

戦時中は海軍主計大尉を務めた土田は戦後は警察畑を歩み、38年からは警視庁の警備、刑事、警務の3部長を歴任し、50年から53年まで第70代警視総監に就任。警視庁勤務は通算19年にわたり「ミスター警視庁」と呼ばれた。50年5月には三菱重工など連続企業爆破事件の犯人グループを一斉逮捕し、逮捕の際にも自ら記者会見を開いた。

ただ、警視総監公舎爆破未遂事件や土田邸爆破事件などは相次いで無罪判決となり、未解決のまま時効が成立した。(大渡美咲)

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