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引退するつもりはサラサラない 「老害」批判は当然 ネット炎上ありがたいこと 話の肖像画 ジャーナリスト・田原総一朗<1>

産経ニュース / 2024年10月1日 10時0分

(酒巻俊介撮影)

昭和9(1934)年、滋賀県出身。早稲田大学卒。岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、フリーのジャーナリストに。62年にスタートした「朝まで生テレビ!」や「激論!クロスファイア」(ともにBS朝日で放送)の名物司会者となる。著書は200冊以上。近著に、60年以上となる取材の日々を振り返った『全身ジャーナリスト』。

《インタビューの最中に田原さんの携帯(ガラケーだ!)が鳴る。相手は自民党の元大物政治家。首相経験者らとの会合の確認だった。政局が風雲急を告げていたころ…コワモテ、直言、反骨でなる「90歳のジャーナリスト」は取材で毎日のようにVIPと会っていた》

僕はジャーナリストだからね。とにかく取材がしたいんだ。そのために、いろんな人たちと会って話を聞く。

電話やリモート取材よりも、できうる限り、〝フェース・トゥ・フェース〟がいいね。それも、お互いのツバがかかるくらいの近さ、〝殴り、殴られる〟ような間隔で、相手と顔を突き合わせて、じっくりと話を聞くんですよ。

首相経験者との会合ですか? 皆、現役の(首相)時代からサシで会ってきた人ばかり。僕は相手が誰であれ、遠慮会釈なく言いたいことをハッキリと言う。だから(僕の意見を)相手も貴重な情報として、聞いてくれるんじゃないかな。

《取材対象は、おいそれと会えないように思える大物が多い。田原さんは、なにゆえに〝モテる〟のか?》

なぜ(各界のVIPと)会えるのかって? 逆に聞きたいのだけれど、ジャーナリストが(取材対象者に)会えない理由って何ですか?

昔の記者は、しょっちゅう(各界のVIPらと)会っていましたよ。僕もそうだったけど、自宅にまで上がりこんで濃密な関係を築き、突っ込んだ取材をしていた。

だけど、最近の、特に若い記者は最初から「どうせ会えないだろう」と決めつけて取材のアプローチさえしない。これもジャーナリズムがダメになっている、ひとつの理由かな。

《テレビの人気討論番組「朝まで生(なま)テレビ!」の司会を担当して40年近い。ネット上で時に「老害」「いいかげんに辞めろ!」と批判されようが、〝暴言〟で炎上しようが、自分から引退するつもりはサラサラない》

「老害…」のような批判があるのは当然でしょうね。(ネット上の)炎上ですか? これも、ありがたいことです。どんな反応であっても、無視されるよりは、よっぽどいいでしょ。まぁ、いろんな意見が言えるのは「言論の自由」からも健全なことだし、そうした反応が僕にとっては体力・気力の衰えに歯止めをかける〝支え〟にもなっていますから。

これまで大きな病気をいくつもしてきたので、とてもじゃないけど、90歳まで生きられるとは思っていなかった。だから、80代後半以降は「いつ死んでも構わない」という覚悟ができたし、こうなったからには、死ぬまでがんばろう、そして、生きている間は、「遠慮しないで言いたいことを言う」と、自分で決めたのです。

《自著で「90歳のジャーナリスト」という肩書は〝ウリ〟になる、と書いた》

実際には、どうかなぁ(苦笑)。とにかく、ジャーナリストの仕事には「終わり」というものがない。僕にとってこれほど、刺激的で面白いものはありません。「知りたい、聞きたい、伝えたい」という思いがあふれてくるんですよ。(聞き手 喜多由浩)

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