1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

万博需要で弁天町が上昇 肥後橋、福島も顕著な伸び キタの再開発の影響が波及

産経ニュース / 2024年7月1日 14時18分

昨年7月に開業したなんばパークスサウス。周辺の路線価の伸びが著しい=6月29日、大阪市浪速区(彦野公太朗撮影)

近畿2府4県の路線価の平均変動率は前年比1・8%増で2年連続上昇した。大阪ではキタの大規模再開発が引き続き周辺の地価上昇も牽引。来年4月に開業する大阪・関西万博を見据え、大阪市の湾岸エリアも上昇した。

万博会場の人工島「夢洲」(同市此花区)を抱える大阪ベイエリアで、その玄関口に位置づけられる「弁天町」(同市港区)。キタやミナミに近い立地の良さから、マンションなどの用地需要が高まっている。JR大阪環状線と連結する大阪メトロ中央線「弁天町」駅周辺の路線価は前年比10・6%増となった。

不動産経済研究所大阪事務所の笹原雪恵所長によれば、キタやミナミなどの市内中心部は「土地の価格が非常に高く、新規のマンションを建てづらい」。最近はそんな中心部を少し外れた弁天町を含む港区の一部や福島区のマンション需要が好調だ。

万博開催や、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)開業への期待感もある。昨年7月に高級ホテルや賃貸オフィスビルなどが並んだ新街区「なんばパークスサウス」が全面開業した南海「難波」駅南側(同市浪速区難波中)の路線価はプラス14%となった。

なんばパークスサウスにオープンした「センタラグランドホテル大阪」(33階建て)は、タイの大手ホテルチェーンの日本進出第1号。広報担当者は「難波は都心部にあり、空港からのアクセスもいい。円安が追い風となっており、今後需要はますます上がるだろう」と期待する。

一方、「関西最後の一等地」として再開発が進むJR大阪駅北側(大阪市北区大深町)の路線価は前年比5・4%増で推移した。昨年3月には、令和13年に開業を予定している「なにわ筋線」の発着点となるJR大阪駅の新地下ホームが開業。開通すれば関西国際空港へのアクセスが向上する期待から路線価も上昇していくとみられている。

さらに、キタの再開発の影響は周辺エリアにも波及。大阪メトロ「肥後橋」駅周辺(大阪市西区江戸堀)は前年比19・3%増で、変動率としては大阪国税局管内でトップとなった。大阪市福島区のJR福島駅前もプラス16・4%となり、高い上昇率をみせた。

大阪学院大の相川眞一准教授(不動産学)は「一定上がりきった感のあるキタよりも、潜在的な需要があった肥後橋や福島など周辺地区の上昇が目立った形。今後はキタそのものよりも、他地域に再開発や鉄道整備の影響が表れ、大阪全体の価値が高まっていく可能性が高い」とみている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください