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スポーツ紙やスーパーのチラシ!? 大阪府警が独自アイデアの交通啓発チラシで勝負

産経ニュース / 2024年8月23日 12時27分

大阪府警交通総務課安全広報係の坂口知寛警部補

《独自調査 大阪VS東京 徹底比較》《7月・8月限定!耳寄り情報!!》。スポーツ紙のような大きな見出しにスーパーの特売風のデザイン-。一見間違えそうだが、その中身は大阪府警が作成した交通情勢の啓発チラシだ。昨年まで交通事故死者数が2年連続ワーストだった大阪。工夫と遊び心の詰まった「大阪らしい」アイデアで、事故防止に取り組む。

スポーツ紙風のチラシでは大阪と東京を比較。項目は人口や面積にはじまり、エスカレーターで立つのが右か左か、食パンの枚数は何枚切りが主流かといったユニークな対比も。それらの表の下に交通事故発生件数や死者数などの情報が載せられている。

文体もさながら新聞記事。「(交通ルールの)違反が横行しており、大阪府警は危機感を強めている」と書きつつ、交通安全教育について「大阪はお笑いのレベルが高く、ボケや、突っ込みをしても、高齢の方々からは『愛想笑い』しかいただけない」と、大阪らしい嘆きのコメントも忘れない。

一方、スーパーの特売風チラシには値段のような大きな数字が並ぶ。半額ならぬ「約半数」と書かれているのは、交通事故死者に占める高齢者の割合だ。

これらのチラシを作成したのは、大阪府警交通総務課安全広報係の坂口知寛警部補(42)。7、8月は高齢者の事故防止強化を掲げており、スポーツ紙風は高齢男性の、スーパー風は高齢女性の興味を引くことを狙ったのだという。

これまでの啓発チラシは、伝えたいことを大きな写真や絵で押し出したシンプルなデザインが多かった。しかし、読者の記憶には残りづらい。じっくり見てもらうにはどうすればいいか試行錯誤する中で「スポーツ新聞やスーパーのチラシなら高齢者は細部まで読む」との意見が出たことが、今回のチラシにつながった。

「よりリアルに」と、実際のスポーツ紙を複数購入してレイアウトや色合い、段組みなどを研究。スーパーの特売チラシも実物を参考に構成を考えた。「街中で見る広告のレイアウトやテレビの見せ方などに注目し、ずっとアイデアを考えている」(坂口警部補)という熱心な姿勢が、リアルさに結びついた。

完成作は部内でも「今までと違う切り口」と評判で、データを配布した府内の警察署では、実際のスーパーのチラシの裏に印刷して、管内の家庭に配布したところもあったという。

大阪府内の交通事故死者数は昨年148人に上り、2年連続で全国ワーストだった。今年は6月末時点で死者数が54人(前年同期比26人減)と全国ワースト4位。今は秋の全国交通安全運動に向け、アイデアを絞っているという坂口警部補。「いろんな発想で多くの人に見てもらえる媒体を作り、タイムリーな内容を発信していきたい」と意気込んでいる。(前原彩希)

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