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北朝鮮シジミの産地偽装 韓国業者がネットワーク構築か 専門家指摘

産経ニュース / 2024年9月5日 20時25分

核実験や弾道ミサイルの開発を続ける北朝鮮に対し、日本政府は北朝鮮が相手の輸出入を全面禁止とする独自制裁を続けているが、産地を偽装するなどした北朝鮮産の海産物が日本国内に輸入される事件は後を絶たない。これらは北朝鮮の資金源になっている疑いが強く、専門家は「日本のシジミ漁にも打撃を与えている」と警戒を鳴らしている。

2006(平成18)年10月、北朝鮮の初の核実験を受けて国連は、戦闘機・ミサイル関連物資、ぜいたく品の禁輸などを規定した対北制裁決議を採択。日本も独自の制裁として、北朝鮮からのすべての品目を輸入禁止している。

18年以降、北朝鮮産のシジミなどの海産物の輸入は統計上ゼロとなる一方で、ロシア産のシジミ輸入が増加した。シジミの産地偽装を長年調査している函館大学の安木新一郎教授によると、以前は北朝鮮と関係の深い韓国の貿易業者が、北朝鮮産シジミを中国産に偽装して輸入していたが「日本国内の輸入関係業者が摘発されたことで、今度はロシア産に偽装する例が増えた」という。

厚生労働省によると、中国や韓国から貝を輸入する際は、中毒症状などを引き起こす「貝毒」を防ぐため安全性の検査が必要だが、ロシア産の場合は検査が不要といい、これもロシア産への偽装が増えた背景の1つとみられる。

だが、2019年にロシアのシジミの主要な産地での漁獲が禁止となり、今回の書類送検容疑となった不正輸入の直後にあたる2020年2月から輸入が停止された。中国でも環境悪化や渇水などで漁獲量が減ったため、安定的に獲れる北朝鮮産のシジミが産地を偽って流通しているという。

北朝鮮と関係の深い韓国の業者が産地偽装のネットワークを築いているとし、安木氏は「北朝鮮の資金源になっているだけではなく、シジミの産地偽装は、外国産より割高で販売せざるを得ず、結果として日本のシジミ漁にも打撃を与えている。韓国に対しても産地偽装を取り締まるよう要求する必要がある」と指摘している。(大渡美咲)

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