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無尽蔵事件 「遺体なき殺人」の立件 警視庁150年 74/150

産経ニュース / 2024年9月7日 7時0分

一連の三越事件や無尽蔵事件について報じる当時の本紙

五百円硬貨が初めて登場した昭和57年。老舗百貨店「三越」の商品仕入れなどを巡る不正が発覚する。後に特別背任罪に問われた当時の社長が取締役会で解任された際に発した「なぜだ」との言葉は流行語にもなった。「三越事件」が世間をにぎわすその裏で警視庁は、三越に偽物を納入したとされる古美術店での「遺体なき殺人」の捜査を進めていた。

殺人の疑惑は、57年8月に三越本店(東京・日本橋)で開かれた秘宝展での偽物騒ぎに始まる。三越社長の不正が判明するきっかけにもなった。偽展示物の中に古美術店「無尽蔵」(豊島区)に関わる品物があったため調べたところ、店主が秘宝展の約半年前から失踪していたことが判明。捜査1課は店主が事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査を開始した。

浮上したのは同店従業員の男。「店主は外国に行った」と事実と異なる供述をしたり、失踪以降金回りがよくなったりしたことが明らかになり、捜査1課は12月に横領容疑で男を逮捕した。

追及の結果、男は無尽蔵店内で店主を殺害して京浜運河に遺棄したと自供。捜索では遺体を発見できなかったが、殺害現場の血痕が店主の血液型と一致し、自供と矛盾がないことなどから、捜査1課は58年2月、男を殺人と死体遺棄容疑で再逮捕した。地裁公判で男は一転して無罪を主張したが、「自白以外の客観的証拠だけでも犯行への関与が証明される」などと退けられ、遺体なき殺人事件は有罪判決が下された。(前島沙紀)

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