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「京阪さんに教えてもらった」阪急、有料シート導入にライバルの協力、明かされる開発秘話

産経ニュース / 2024年11月6日 18時0分

京阪電鉄のプレミアムカー=大阪市北区

京阪電鉄と阪急電鉄が大阪-京都間で展開する有料の座席指定サービスをめぐり、先行していた京阪側が阪急側に対し、サービスの導入で得た知見などをひそかに伝えていたことが6日、分かった。大阪-京都間は京阪、阪急、JR西日本の3社が並走する国内有数の鉄道激戦区間。利用客獲得にしのぎを削りつつも、可能な限り情報を開示することで互いに高め合い、関西経済の発展につなげたいという現場サイドの願いがあった。

7月21日、阪急側は座席指定サービス「プライベース」車両1両を連結した列車の運行を京都線(大阪梅田-京都河原町)で開始した。リクライニングができる広い座席に高級感のある内装で、料金は一律500円。「阪急マルーン」と呼ばれる小豆色の伝統カラーの車体に、ゴールドのラインを施して上質感を演出した。デビュー直後から人気は上々。ただ、同社関係者は、開発段階において「同様のサービスで先行していた京阪電鉄さんに話をうかがった」と明かす。

大阪-京都間では、かつて東海道線の快速にグリーン車が連結されたが、利用の低迷で昭和50年代に廃止された。快速や普通にも広くグリーン車が浸透する関東と異なり、財布のひもが固い関西人には、特別料金が必要な車両は受け入れられ難いともいわれたが、京阪は平成29年8月に「プレミアムカー」の投入に踏み切っていた。

混雑を回避したり、非日常感を楽しんだりしたいという客のニーズに応える形で、淀屋橋-出町柳間を走る特急車両に1両が組み入れられ、料金は区間に応じて400~500円。3列配置のリクライニングシートで、専任のアテンダントが乗務している。

「これほど当たるとは思わなかった」(同社幹部)と舌を巻くほどの人気ぶりで、来年秋をめどに、外観が紺と白の3000系車両に連結するプレミアムカーを現在の1両から2両に増やす計画だという。

阪急側に伝えた内容について、京阪の広報担当者は「営業情報のため、詳しい内容は答えられない」としつつ、利用客のニーズや新たな営業収益の確保といった観点で話をしたと説明。その上で「関西の鉄道会社として、関西経済を盛り上げていこうという気持ちで協力をさせてもらった」と話す。

これに対し阪急の広報担当者は「京阪さんへのヒアリングは有意義だった。社の独自性も大事だが、さまざまな視点から鉄道の魅力を高める努力を続けたい」とし、同業他社からヒアリング要請があれば阪急としても前向きに応じたい考えを示している。(木ノ下めぐみ、岡嶋大城)

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