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闘病支えた仲間に感謝 拓大第一・佐藤陵成捕手 夏の高校野球、西東京大会

産経ニュース / 2024年7月22日 21時57分

五回、マウンドに駆け寄って投手に声をかける拓大第一の佐藤陵成=22日、神宮球場(相川直輝撮影)

第106回全国高校野球選手権西東京大会は22日、神宮球場で準々決勝4試合が行われた。拓大第一は、第1試合で日大三と対戦。4点を追う五回に1点を返したが後が続かず、1-7で敗れた。

拓大第一 1-7 日大三

突然の宣告だった-。昨夏の大会終了後、せきの症状がひどく、声も出にくくなった。慌てて病院で検査を受け、告げられたのは「悪性リンパ腫」。聞き慣れない病名に思わず、「頭が真っ白になった」。医師からは、少なくとも半年間の治療が必要だと言われ、野球をすることはおろか、普通の学校生活を送ることも難しくなった。

つらい抗がん剤治療が続く日々。支えてくれたのは家族や部の仲間だった。両親らは毎日のように病室を訪れ、「不安な気持ちにならないように優しく接してくれた」。チームメートからは「野球のことを忘れるな」とボールをプレゼントされた。「戻ってきたら一緒にレギュラー争いをしたい」。同じポジションを守る1学年下の高水啓佑からはこう励ましを受けた。「生意気だけど、うれしかった」。もらったボールを握りしめ、またグラウンドに戻る日に備え続けた。

野球部に復帰したのは今年2月。春の大会ではベンチ入りできるまでに回復し、この夏は全試合でマスクをかぶった。「支えてくれた人に恩返しがしたい」と意気込んで臨んだ今大会。順調に勝ち進み、5回戦では強豪・東海大菅生に自らも適時打を放つなどして競り勝った。

迎えた準々決勝は、日大三を相手に力尽きた。時折、目に涙を浮かばせながら、「自分は足を引っ張ってばかりだった。仲間にはありがとうと伝えたい」と、友に恵まれた3年間を振り返った。(塚脇亮太)

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