マスダケイコさんの心温まる世界 奈良市内で絵本原画展 10、11日にはワークショップ開催

会場に並ぶ「ぼく、ニホンオオカミになる！！」の原画と作者のマスダケイコさん＝奈良市

奈良市出身の絵本作家、マスダケイコさんの絵本原画展が６日、同市の奈良県立図書情報館で始まった。これまでに手掛けた主要な５作品の原画を一堂に紹介するのは初めてといい、訪れた人たちはマスダさんの世界にどっぷりひたっている。１８日まで、入場無料。

奈良教育大で美術を専攻し、現在は神戸を拠点に絵本やイラスト、デザイン制作などを手掛けるマスダさん。絵本作家としてのデビュー作「ぼく、ニホンオオカミになる！！」から最新刊「おとしましたよ」まで、絵本をはじめ挿絵を担当した書籍など５作品の原画約８０点を並べた。

心温まるほのぼのとした画風、奇想天外な発想やクスっと笑えるユーモラスな展開が魅力。その一方、史実をベースにした戦争児童文学作品「列車にのった阿修羅さん」（いどきえりさん作）で担当した挿絵は力強さや気迫も感じさせる。マスダさんは「このお話に最も適切なのはどんな絵か、ということを常に考えて描いています」と話す。

会場ではこのほか、東吉野村ニホンオオカミ手作り絵本コンクールで最優秀賞を受賞したデビュー作に登場する「ニホンオオカミにあこがれる犬のヤマト」の造形作品や、自身も制作に参加した「宇宙人カルタ」なども紹介している。

会期中の１０日午前１１時と午後１時、１１日午後２時から、「『きんぎょくじら』をつくろう」と題したワークショップを開催。マスダさんが講師を務める。料金は５００円で事前申し込み不要。問い合わせは県立図書情報館（０７４２・３４・２１１１）。