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北の鉄路を考える⑦ JR北海道に怒られた!の巻 帰ってきた令和阿房列車で行こう 第三列車

産経ニュース / 2024年6月26日 10時0分

旧夕張駅跡。北の鉄路の未来はどうなる

JR北海道広報のSさんからメールが届いたのは、第三列車連載2回目が掲載された21日正午すぎだった。安全を確認し、乗客の顔が写らぬよう配慮してホーム上で撮った列車写真を、デジタルの産経ニュースから削除するよう求めてきたのだ。

正確に引用させていただく。

「弊社では、ご取材に際して弊社敷地内での写真撮影の伴うものについては、ご取材日の10営業日前までにご申請をいただき、内容を確認したうえで取材あっせん書を発行しております(札幌駅改札内など、安全確保が難しい場所では承認できない場所もございます)。また、ホーム上・列車内での撮影は安全確保のため立ち合いを必要としており(立ち合いは原則有料となります)、そのお手続きもお願いしております。なお、事後の申請はお受けしておりません。今回、申請をいただいておりませんので、第1回の南千歳駅及び第2回の長万部駅のホーム上にて撮影された写真については、デジタル版から削除していただきますとともに、第3回以降は弊社敷地内で撮影された写真は掲載されませんよう、お願いいたします」

いやはや驚いた。映画やテレビドラマのホームや車内ロケは、撮影スタッフも多く、申請が必要なのはわかるが、記事に写真を添えたければ、10日以上前に有料承知で申請しろ、とは初耳だ。第一、「令和阿房列車」では、10日も前から日程を決めたケースはほとんどない。民放テレビの旅番組のようなスポンサーもついていない。

百歩譲って、「ひょっとしたら記事でJR北海道の経営姿勢を批判するかもしれませんが、写真を撮らせてください」と申請したら認めてくれたのだろうか? いつからJR北海道は、ホームなどでの列車撮影を事実上禁止している中国や北朝鮮並みになったのだろうか。

ちょうど、はるばる沖縄から第四列車の打ち合わせにサンケイ1号君がやってきた。

「JR北海道のホームページには、個人の営利活動目的の撮影は『ご遠慮いただいている』としか書いてなかったけど」と愚痴ると、1号君は「そりゃ、嫌がらせでしょう。鉄道ユーチューバーがホームや車内から撮った映像は削除されてませんよ」と事もなげに言う。

逆に「サービス精神に欠けるとか、ダイヤ編成が悪いとか、本当のコトを書くからですよ」と諭された。

Sさんには、報道目的でホーム上で撮影した写真を掲載してはいけない法的根拠を示すようお願いしたが、締め切りまでに明確なお答えがなかった。

JR北海道は3月、国土交通省から抜本的な経営改善を求める「監督命令」を出されている。これは経営者として恥ずべきことである。

同社は「外部の厳しい意見・アドバイスを経営に反映させる仕組みを構築する」としているが、まったく逆の対応だ。

交通コンサルタントの阿部等氏は、「JR北海道は赤字を経営安定基金(注)の運用益で賄う前提で発足し、低金利による運用益激減に国が適正に対処せず、今の窮状に至った。国を動かすには、経営方針を『減速・減便・少駅化・頻繁な運休』から『増速・増便・多駅化・極力運行』へ改め、道民の信頼を回復することが第一歩だ」と語る。果たして現経営陣で大改革ができるだろうか。

あばよ!JR北海道。第四列車は明日のこころだぁ!(乾正人)

経営安定基金

国鉄民営化の際、厳しい経営が見込まれていたJR北海道、四国、九州の3社の経営を基金の運用益で支えるため創設された。JR北海道には当初、6822億円が交付された。JR九州は株式上場を果たし、対象外となった。

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