多摩信金職員殺害事件14日で未解決20年 母親「今年こそは」 情報提供呼びかけ

事件現場で献花する後藤博樹さんの母、リウさん＝9日、東京都府中市（前島沙紀撮影）

東京都府中市の多摩中央信用金庫（現・多摩信用金庫）府中支店の駐車場で平成17年2月、営業課長の後藤博樹さん＝当時（39）＝が刺殺された事件は、未解決のまま14日で20年を迎える。母、リウさん（81）が9日、現場で献花し、「今年こそはと思い続けてきた。墓前に報告できる日が近い将来必ず来ると信じている」と情報提供を呼びかけた。

リウさんのほか、警視庁府中署員と信金職員ら約70人が参加し、周辺の街頭で情報提供を呼びかけるチラシ入りのティッシュを配布した。

リウさんは「この時期が来ると当時がよみがえってくる。息子の気持ちを思うといたたまれない」と語った。後藤さんと働いていた信金職員の男性は「面倒見が良く、部下思いの人だった。一日でも早く犯人が捕まってほしい」と話した。

事件は17年2月14日午後11時50分ごろに発生。帰宅のため支店を出た後藤さんが、男に刃物で刺されて死亡した。男は犯行当時20～40代で、血液型はO型、身長170～180センチのやせ形だった。犯行後は京王線府中駅方向に走って逃走。現場に残された男の腕時計は米GUESS（ゲス）社製のもので、蛇腹式のバンドに交換されていた。

警視庁は延べ6万8千人を超える捜査員を動員。府中署の佐藤昭雄署長は「未解決のまま20年が経過し痛恨の極みだ。ささいな情報でも提供してほしい」と呼びかけた。情報提供は府中署捜査本部（042・360・0110）まで。