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ごきぶりは「アマメ」…南北で違いはっきり、奈良大学生が奈良の方言を調査

産経ニュース / 2024年8月19日 20時4分

岸江信介・奈良大総合研究所特別研究員(左)と同大学方言サークルのメンバー=奈良市の同大学

奈良県内の方言について、奈良市の奈良大文学部国文学科国語学研究室と同大学方言サークルが県内全域を対象に調査しまとめた「奈良県言語地図」を刊行した。北部(主に奈良盆地部)と南部(吉野郡)での言い方の違いが鮮明となるものもあり、「有意義な調査成果を得た」としている。

同大学4回生の宮川直也さん(22)が1回生のときに奈良県でおやつを意味する「ホーセキ」という方言について調べたことがきっかけ。方言への興味が深まり、有志で方言サークルを立ち上げ、方言の分布を示した言語地図を作ることにした。

調査では、対象をその土地で生まれ育った55歳以上とし、令和4年6月~5年3月に各地域への調査票の送付・返信による方法で行うとともに十津川村や上北山村などは現地を訪ねた。この結果、180件の有効回答を得た。言語地図では約110の質問に対する回答をそれぞれ奈良県の地図上に記号で記し、分布を示した。

「新聞を読まないの『読まない』はどう言うか」との問いでは、北部の「ヨマヘン」に対し、南部では「ヨマン」が多かった。「テレビを見ないの『見ない』をどう言うか」では、北部の「ミーヒン」などに対し、南部は「ミラン」が多くを占めた。「親しい目上の人に『校長先生が出張に行く』という場合『行く』はどう言うか」では、北部は「イカハル」が多かったが、南部は「イク」や「イカレル」が目立った。

また、植物の「とげ」は十津川村で「イバラ」とも言い、「へび」は同村で「グチナワ」など、「ごきぶり」は同村で「アマメ」などと言うことが分かった。

当時同大学国文学科教授で現在は同大学総合研究所特別研究員の岸江信介さんは「県南部は貴重な方言の宝庫で全国的にも注目される。調査では県北部と南部で違いが大きいことがよく分かった」と説明。宮川さんは「十津川村などで現地調査を行い、地域の人と話ができて良かった」、3回生の簔毛聡明さん(21)は「言葉の多様性が興味深かった」と話した。

言語地図は県内市町村などに配布した。

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