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再販対策と同時に販売正常化、朝日新聞の社長と話し合い 渡辺恒雄さん(6) アーカイブ「活字文化考」

産経ニュース / 2024年12月29日 12時0分

読売新聞の渡辺恒雄社長=平成7年9月21日

――新聞の再販制度にからんで批判されるのは、販売の正常化の問題ですが、その是正をどうお考えですか。

渡辺 きのう(インタビュー前日の九月二十一日)も、僕は「九州方面がかなり荒れている」という情報があるんで、西部本社の販売局長を呼んで、「これは社長の命令である。正常化を進めろ。景品を自粛しろ」と指示したんです。

しかし、読売だけが(景品自粛を)やれば、読売の部数だけが減るという結果しか出ない。朝日、読売、毎日、西日本新聞、この四社がイチ、ニッ、サンで正常化を具体化しなきゃいけない。そのために、きょう(九月二十二日)も、僕は朝日の中江(利忠)社長、毎日の小池(唯夫)社長に、「販売局に社長命令を出してくれ。社長命令でなければ押さえられないじゃないか」と電話したよ。

――きょう電話されたんですか。

渡辺 きょう。九月初めに、再販対策と同時に、正常化をまず大手三社で進めようじゃないかという話し合い、誓約はしてるんです。それを具体的にどういうふうにするか…。ただ、三社の社長が会って自粛しようと言ったって、末端に届くには時間がかかりますからね。

読売の場合は自営店主義ですから、販売店は全部独立した自営店なんですね。その自営店に自粛するように通達するまでには、手続きと時間がかかりますから、それを早くやろうということで、きょうも僕は朝からせっせとそういうことをやっている。

――販売正常化の具体的メドは。

渡辺 もう、ただちにだ。今月とか、来月とか。支店を含めて読売の販売店は八千軒ありますからね。全国の新聞の販売店は二万三千軒余はあるが、二万三千軒以上の小売店の全部にね。

――徹底するためには、そういうことになりますね。

渡辺 社有店、直営店の多い新聞社もありますよ。しかし、読売新聞は務台(光雄)元社長の方針で自営店主義をとった。だから、全部独立自営店主であって、われわれは契約上、いかなる原価で新聞を供給し、どれだけの取り扱い部数にしてもらうかというような契約は結んでいるが、指揮命令関係にはない。その契約を通じて話をして、正常ならざる販売は自粛しようじゃないかということを言うことはできますからね。

――率直にいって、各地の販売現場では、読売と朝日の戦争が激しくて他社や地方紙は悲鳴をあげています。中江社長と会ってきっちり話をしようということは…。

渡辺 だから、それ(販売正常化)をやろうということで、すでに中江君とやった(話をした)んです。「とにかく、おれのところと君のところで正常化の徹底をまずやることが先決だよ」と。そうかといって、読売と朝日だけじゃないんだ。ある地域に行けば、強大なる地方紙があって、それから朝日があって、その次に毎日で、読売は四番目なんていう地域がざらにあるわけですよ。そういうところは大手の地方紙も自粛してほしい。

いま現に起きているけども、ある地方紙は、その主たる地域では確かに景品は使っていないけれども、隣の県に進出するときには大型景品を使うというようなこともあるんでね。 (文化部長 小林静雄)

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