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埼玉・秩父の幻の大豆「借金なし」と郷土料理「みそポテト」組み合わせたポテチ人気

産経ニュース / 2024年9月3日 11時57分

借金なしみそを使ったみそポテトチップ

埼玉県秩父地方でかつて盛んに栽培されていた幻の大豆「借金なし」。また、秩父地方には揚げたジャガイモにみそだれを塗って食べる「みそポテト」という郷土料理がある。この2つの〝秩父の味〟を組み合わせた「秩父B級グルメ みそポテトチップ」が人気だ。借金なしを使ったみそが安定供給されるようになったことなどから製品化に成功した。製造元は「秩父の味を手軽に自宅で楽しんでほしい」としている。

借金なしの「なす」は秩父地方の方言で「返す」という意味。病気に強く収穫量も多いことから、「栽培すれば借金を返せる」というのが名前の由来だ。大正時代には栽培されていたが、戦後は安い外国産大豆に押されるなどで姿を消してしまった。

約15年前、この幻の大豆の復活の機運が高まった。ただ、借金なしの栽培をしている横瀬町の農業男性(78)は「栽培は簡単だが獣害が多く収穫量は増えていない」と話す。

そんななか、秩父市の社会福祉法人「清心会」も平成22年ごろから市内の休耕地を借り、入所者らによって栽培に着手。同時に借金なしを使ったみそづくりも始めた。清心会によると、今ではみそを年間で約4・5トン生産しているという。

このみそは横瀬町のふるさと納税の返礼品になっているほか、秩父市内で豚肉のみそ漬けや団子のたれなどにも使われている。

借金なしが復活の兆しを見せるなか、秩父市内の食品会社「清水家」の新井崇史社長(50)がこのみそに目を付けた。「元々、私がみそポテト味のポテトチップを食べたいと思っていたところ、知人から借金なしみその話を聞き、組み合わせることができないかと思い開発した」と話す。

発売は28年。発売当初は「年間に5千袋も売れればいいと思っていた」(新井社長)というが、じわじわと人気が高まり、今では年間10万袋も売れる大ヒット商品になっているという。

「借金なしみそというネーミングのよさもあるし、これまでのポテトチップにはあまりなかった甘辛みそ味がウケたのだろう」と新井社長は話す。

さらに、新井社長は「コロナのときは会社も大変だったが、このポテトチップのおかげで借金をある程度なすことができた」と笑顔を見せた。

清水家ではこの夏、借金なしみそを使ったみそ落雁を新発売した。また、ポテトチップは秩父市内の土産物販売店などで1袋400円前後で販売されているほか、インターネットでも購入できる。

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