「国際捜査課」発足 外国人の組織犯罪増加に対応 警視庁150年 82/150
産経ニュース / 2024年10月4日 7時0分
日本が経済大国となった昭和末期。国内外の行き来が活発となり、来日外国人による犯罪や、国外での日本人の犯罪、容疑者の国外逃亡など、犯罪のグローバル化が進んだ。これを受け、昭和63年1月、警視庁刑事部内に「国際捜査課」が新設された。
当時の課員は約40人。約2カ月後には香港人窃盗グループ「爆窃団」の首謀者や関連被疑者22人を摘発した。店舗の壁に油圧ジャッキや電動ドリルで穴を開け、貴金属を盗み出す手口で、被害は全国各地で相次ぎ、被害額は10億円を超えるとされる。
平成に入ると薬物密売など外国人による組織犯罪が増え、犯行形態も多様化した。東京・歌舞伎町では青龍刀を持った男らによる襲撃事件が発生するなど、アジア系外国人の事件が急増。新たに「国際組織犯罪特別捜査隊」を設置し、世界中で暗躍していた中国の密航あっせん組織「蛇頭(スネークヘッド)」を摘発した。
平成15年に組織犯罪対策部(組対部)が発足すると、偽装結婚などのインフラ犯罪を主に扱う組対1課と強行犯を担う組対2課に改編。組対2課は19年6月、東京・銀座の宝石店から2億円相当のティアラなどを奪った国際強盗団「ピンクパンサー」を摘発。世界28カ国で350~400億円相当の宝石を強奪したとされる。
令和4年には組対1、2課が「国際犯罪対策課」となり、約250人体制で犯行グループの多国籍化や組織化が進む中で、他国との捜査連携にも力を入れている。(前島沙紀)
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