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横浜市の夜間中学統合から10年で記念誌作成「今後のビジョン考える土台に」

産経ニュース / 2024年6月24日 14時31分

統合10周年記念誌を手にする蒔田中学校の熊切隆校長=横浜市南区(橋本謙太郎撮影)

横浜市内の夜間中学(中学校夜間学級)5校が市立蒔田中学校(同市南区)に統合されて10年の節目となるのを機に、教員らが「統合10周年記念誌 横浜市立蒔田中学校夜間学級 平成26年度~令和5年度をふりかえって」を作成した。これまでの歴史や卒業生のアンケートなどが掲載されており、熊切隆校長は「これからの夜間学級を考えるための材料になれば」と話している。

市教委などによると、横浜市の市立中学校に夜間学級が設置されたのは昭和23年。浦島丘中学校子安浜分教室に「夜間補修授業校」が設置されたのが最初だった。昭和25年には10校に「中学校二部学級」が設置され、戦後の混乱期に家庭の事情などにより、昼間は通学できない子供たちらの学習の場としての役割を果たしてきた。

生徒数減少などを受けて、平成26年度には5校に設置されていた夜間学級は蒔田中学校に統合された。今年春が統合から10年の節目であることに合わせ「夜間学級の現状を把握し、今後のビジョンを考える土台となる資料を残す」ことを目的に、同学級の教員が中心となり、昨年4月から本格的に記念誌作成に取り組み始めたという。

記念誌では、これまでの歴史を統合前と統合後に分けて振り返り、統合後については、生徒数の変遷や職員の体制、学校行事などに言及。他の機関との連携にも触れている。

平成26年度から令和4年度にかけての卒業生に、入学の理由や夜間学級で学んでよかったこと、もっとやりたかったことなどについて尋ねたアンケートも収録。

26人が回答を寄せ、「文化祭でビデオを作ったり、いろんなことができるようになった」「世界のどこにいっても夜間のことは忘れない。とってもよかった」「もっと勉強すればよかった」などといった感想が紹介されている。

夜間学級が設置された当初と比べると、生徒には外国人が多くなり、「学び直し」の場を求めて来る人もいる。年齢もさまざまだ。

それでも、学ぶ意欲がある人が集う場であることは変わらず、現在は19人が在籍する。熊切校長は「夜間学級は横浜の財産。次の夜間学級のビジョンを、若い世代にバトンタッチしながら自分も考えていきたい」と話している。(橋本謙太郎)

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