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「掃除面倒」「近所迷惑が心配」薄れる節分豆まきの存在感、誤嚥リスク回避の工夫も

産経ニュース / 2025年2月1日 13時26分

今年は2日が節分。病や災いをはらうとされる豆を食べることで力をもらうための伝統行事「豆まき」が行われる日だが、近年その存在感が薄れつつある。後片付け、近所迷惑、事故防止…。取材を進めると、「意外な理由」が見えてきた。

「何もしない」45%、「豆まきをする」を上回る

「掃除が面倒で…」

小学2年の娘と暮らす大阪府内の30代女性は節分に自宅で豆まきをしない理由について、こう打ち明ける。娘が小学生になるのを機に、やめた。

食品大手カルビーが令和6年12月に行った調査によると、節分に「豆まきをする」とした回答は41%で、「何もしない」(45%)を下回った。「以前はしていたが、最近はしなくなった」との回答も37%に上った。

豆まきをしない理由で最も多かったのは「子供が大きくなった」(42・3%)だが、次いで多かったのが「豆まき後の掃除が大変」(29・7%)。家の中でまいた豆は床に散らばるだけでなく家具の隙間などに入ることもあり、後始末が面倒という声は少なくない。

近隣住民を気にする声もある。特に都心部では「鬼は外!」と大きな声を出すことでトラブルを起こしたくない、という心理も働くようだ。大阪府内の集合住宅に住み、5歳と2歳の子供と豆まきをする予定だという30代男性も「『福は内』しかできない。豆が家の外に出たり、子供が騒ぎすぎたり、周りに迷惑がかかったりしないよう注意する」と話す。

新聞紙やボールなどで代用。消費者庁は注意喚起

工夫を凝らして〝豆〟をまく例も増えている。東京都品川区では区立保育園に対し、豆ではなく新聞紙を丸めたものやボールなどをまくなど、節分行事で園児が豆を食べる機会を極力減らすよう促している。

背景にあるのは誤嚥(ごえん)リスク。島根県松江市の認可保育施設で令和2年、当時4歳の男児が節分行事中に豆を気道に詰まらせ窒息死する事故が起きている。

歯が未発達の幼児は、ものを嚙み砕く力や飲み込む力が弱く、のどなどに詰まらせてしまうリスクが高い。品川区保育施設運営課の中島秀介課長は「伝統文化を体験してほしいという思いもあるが、園児の安全の担保とのバランスも大事」と話す。

消費者庁も節分を前にした1月下旬、X(旧ツイッター)の公式アカウントなどで注意喚起。豆類などでの窒息や誤嚥リスクを回避するため「少しずつよく嚙んで」「食べるときは姿勢をよく」と注意を促している。

長らく親しまれてきた伝統文化ということもあり「子供にも楽しんでほしい」(前出の30代男性)という声が根強いのも事実。子供の安全も確保しつつ、時代に合わせた豆まきを楽しみたいところだ。(重川航太朗)

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