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祇園祭綾傘鉾が「令和の神面」新調へ 八坂神社で祈願

産経ニュース / 2024年11月20日 14時16分

清祓を終えて神面の原木を手にする能面師の宇高景子さん(右)と綾傘鉾保存会の寺田進理事長=京都市東山区

祇園祭前祭(さきまつり)の綾傘鉾が棒振り囃子(はやし)で使う神面を新調することになり19日、八坂神社(京都市東山区)で原木の清祓いを行った。今年迎えた綾傘鉾の復興45周年事業の一環。新たな神面は来年の祇園祭でお披露目される。

原木は樹齢約450年の木曽ヒノキで、能面師の宇高景子さん=京都市左京区=が京都市内の材木商に依頼して入手した。この日は、宇高さんと綾傘鉾保存会の寺田進理事長ら役員約10人が神面の完成を祈願した。

神面は棒振り囃子の2人の太鼓方がつけている。綾傘鉾は、江戸中期の宝永5(1708)年に制作された古い神面1対を保管。現在は45年前に制作された神面2対を使って巡行に参加していた。

江戸時代の古い神面の写し1対と、現代の息吹を吹き込んだ令和の神面を新たに手がける宇高さん。「長い年月をかけて守ってきた京都の文化と人々の思いを受け止め、令和に生きる人々の思いも合わせて全身全霊で面に向き合いたい」と抱負を述べた。寺田理事長は「200年、300年後に文化財として残るよう希望している。来年の巡行を楽しみにしている」と話した。

綾傘鉾は元治元(1864)年の大火で鉾の大部分を焼失し、明治17(1884)年に途絶えたが、地元の町衆の尽力で昭和54(1979)年に約100年ぶりに復興した。(田中幸美)

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