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大阪-京都間の「伏見航路」62年ぶりに復活 淀川舟運、定期便の運航に期待

産経ニュース / 2024年10月11日 20時54分

大阪と京都・伏見を結ぶ淀川の「伏見航路」が13日、62年ぶりに復活し、観光船が航行する。古くから人や物資の輸送手段として重要な役割を果たしてきたが、陸上交通網の発展により途絶えた同航路。しかし外国人観光客の急増や2025年大阪・関西万博に向けた観光振興の観点から、淀川の舟運に再び注目が集まっており、将来の定期便の運航も期待されている。

平安時代に記された土佐日記にも記載があるなど、古くから発展してきた淀川の舟運。江戸時代には、現在の枚方市周辺を行き交う船に飲食物を販売する「くらわんか舟」が集まり、人流の増加とともに沿岸の街も栄えてきた。

しかし、昭和初期を境に鉄道や自動車など陸上交通網に取って代わられ、次第に衰退。昭和37年に貨物輸送が終了し、航路の歴史は途絶えた。

一方、平成7年の阪神大震災や30年の大阪北部地震では、船舶を活用した復旧工事、輸送手段としての重要性が再評価され、近畿地方整備局は大阪府内の9カ所で災害時の緊急用船着き場を整備。さらに洪水対策として堆積した川底の土砂を取り除いたことで、より大きな船が淀川上流まで航行できるようになり、舟運復活の機運が高まってきた。

令和4年、近畿地方整備局や関係自治体、経済団体などが「淀川舟運活性化協議会」を設立。万博を機に淀川の舟運を復活させて周辺地域の活性化につなげようと議論を重ね、開幕半年前にあたる13日に復活することが決まった。当日は八軒家浜船着場(大阪市中央区)-枚方船着場(枚方市)と、枚方船着場-伏見船着場(京都市伏見区)をつなぐ船などが運航する。

ただ、万博期間中は観光船の運航が見込まれるものの、それ以降の定期便の運航は決まっていない。鉄道などに比べて移動に時間がかかることに対する理解が得られるか、集客が可能かといった課題もあり、引き続き協議会の関係者らが話し合いを行う方針だ。

就航を祝い、13日午前には枚方市の淀川河川公園で関係自治体の首長らによる式典が開かれるほか、淀川沿線の各地でも関連イベント「淀川クルーズフェスティバル」が催される。近畿地方整備局は「この機会に淀川と舟運に親しんでほしい」と呼びかけている。一部の船の乗船には事前予約が必要。詳細は、淀川クルーズフェスティバル特設ホームページから。(秋山紀浩)

■淀川舟運 淀川の流れを利用し、船で人や物資を運ぶこと。古墳時代に中国大陸や朝鮮半島との玄関口として大阪湾が発展する中で盛んになり、平安時代の文献にも記述が残る。江戸時代には京都と大阪を結ぶ伏見航路が栄え、「三十石船」による人の移動が盛んになった。しかし、昭和初期から陸上交通網に取って代わられ衰退。昭和37年に火力発電用の石炭の輸送が終了し、航路は途絶えた。

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