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日本球界に喝! 大谷「三冠王」で歴史変えろ!! コーチが水、小学校じゃないんだよ 話の肖像画 元プロ野球選手・張本勲<30>

産経ニュース / 2024年12月31日 10時0分

始球式で日本ハム時代の大谷翔平選手(左)と対戦 =平成28年8月、東京ドーム

《最後は野球に戻って…。日本球界には〝喝!〟》

日本球界には〝喝!〟だね。活気がない。もう少し、技術を追求してほしい。今、打高投低、打者が有利の時代ですよ。ドームがある。乾燥している。空調でホームラン風が吹く、人工芝。バットは乾燥して軽くて、いい仕上がりになっている。その代わりすぐ折れるけどね。そんないい環境なのに打率がとても低い(今年の3割打者はセ・リーグが2人、パ・リーグが1人)。3割5分以上は打たないと。厳しいようだけど、ちょっと情けないですよ。

投手だって六回で代える。アメリカにならって、80球から100球まででね。そんなんではひ弱くて〝大喝!〟です。酷使していいんですよ。今、コーチがマウンドへ行くとき水を持っていく、タオルとね。小学校じゃないんだよ。たくましく鍛えることも寿命の長さにつながる。鍛えないと、逆に短くなる。乗り越えないと先にいかない。野球界もそんなアメリカのルールばかりまねしてる。日本野球の良さを見直してほしいね。

《大谷翔平に大絶賛エール…》

ドジャースの大谷は〝あっぱれ!〟です。日本ハム時代からずっと見てる。彼の対応能力はすごい。今、打席で構えたとき右足のかかとをちょっと上げる。いわゆる〝ヒールアップ〟でタイミングを取っている。ノーステップに近い。本当はノーステップが一番いい。だけどそれでは力が入らない。反動を入れなきゃ、なかなか打球を飛ばせないものです。

かつてヤンキースにジョー・ディマジオという選手がいた。56試合連続安打の大リーグ記録を持って、長打力(通算361本塁打)もあった。彼はノーステップ打法で安定していた。大谷もディマジオ流のノーステップに限りなく近い。トレーニングで体を鍛え上げ、他のメジャー選手と劣らないほど大きくなった。体力がある。筋力もあって柔らかく、パワーアップした。で、打つときほぼ動かない。

「動かない」というのは大事です。投手の150キロのボールが打者に届くまで約0・4秒かかる。動かないから重心を軸足(左足)に置いてボールを待てる。打席で相手の投げる球を体をブレずに〝探して〟捕まえられる。足を上げた場合、反動を使うためブレが生じて、タイミングを取るのが難しく、打つ球を〝探しながら〟になるから捕まえるのが難しくなる。

足を上げるとね、打つポイントが1点しかない。大谷も大リーグに行ったころ、足を上げていたが、自分で気がついて修正した。だから打てる予感がした。これからメジャーを目指そうとしている村上宗隆(ヤクルト)、岡本和真(巨人)も足を上げて打っている。参考になるでしょう。

《来年は二刀流に復活も、進化した打撃で三冠王も近い》

2年前、投手で28試合投げて15勝9敗、34本塁打。昨年が10勝5敗、44本塁打です。〝二刀流〟で100年前のベーブ・ルースと比較された。打って、投げて、走った。こんな選手、メジャーの歴史でも他にいませんよ。日本人選手がここまで称賛される日がくるとは夢のようです。

ただ、手術後の右ひじが心配です。2度目ですよね。投手の資質も別格です。来年の二刀流復活は彼自身に委ねるしかありませんが、私は早く打者に専念してほしいという気持ちがありますね。年々進化してます。昨年44本、今年は54本で2年連続本塁打王を取り、初の打点王(130打点)と2冠ですよ。打率も(昨年の3割4厘、今季は3割1分と)2年連続3割を超えた。今の大谷の打法なら打率で3割2分超えも全然想像できます。三冠王だって十分に狙えるところにいる。

メジャーで三冠王なんて痛快じゃないですか。歴史を変えられるんです。来年も、そんな大谷を見られるんです。夢のような時間が続くんですよ。大谷には〝大、大あっぱれ!〟です。(聞き手 清水満)=明日から喜劇役者、劇団SET主宰、三宅裕司さん

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