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模造品「紫地鳳形錦御軾」を製作 聖武天皇ゆかりの肘置き、実用的に再現

産経ニュース / 2024年9月2日 13時1分

完成した「紫地鳳形錦御軾」の模造品=奈良市の宮内庁正倉院事務所

宮内庁正倉院事務所(奈良市)は、正倉院宝物「紫地鳳形錦御軾(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)」の再現模造品を製作し、報道陣に公開した。1300年前の聖武天皇ゆかりとされる肘置きで、実用性が備わるように再現された。

模造品は宝物とほぼ同じ高さ20センチ、長さ80・5センチ、幅25センチ、重さ4・6キロ。特注家具製造会社「ミネルバ」(東京都)が令和5年度に製作した。

宝物は、聖武天皇の逝去後に妻の光明皇后が東大寺大仏に献納した遺愛品の目録「国家珍宝帳」に記載。錦に翼を広げた鳳凰を葡萄唐草文(ぶどうからくさもん)で囲んだ文様で、中国固有の鳳凰文と西方発祥の葡萄唐草文が融合した国際性豊かな作例とされる。

模造品製作は外からは見えない芯材を構成する素材と内部の構造が課題となり、X線CT(コンピューター断層撮影)などのデータをもとにそれらを決めた。

模造品は、マコモの葉や茎を麻糸で編んで作ったむしろを重ねて束ね、畳表で巻いて長方形の芯材を製作。上面中央はくり抜いて真綿を詰めるなどし、最後に表面を平成15年度に製作した錦で覆った。

調度品としての強度が必要だったといい、製作したミネルバの宮本しげる社長は「試作を繰り返し、宝物の重量に近づけるためにマコモや真綿を詰め込んだ。昔の人がこんなに手間をかけて作ったことに驚いた」と話す。

正倉院事務所の飯田剛彦所長は「こうした調度品の模造品によって当時の天皇が過ごされた空間が再現できる」と語った。模造品は今秋の「第76回正倉院展」に宝物とともに出展される。

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