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金属工芸品のように輝くプルーフ貨幣 製造の工場見学も 造幣さいたま博物館 埼玉「館」巡り

産経ニュース / 2024年7月6日 11時0分

造幣さいたま博物館の外観=2024年6月25日、さいたま市大宮区(柳原一哉撮影)

深谷市出身の実業家、渋沢栄一の肖像が描かれた新一万円札が発行されたばかりだが、貨幣はさいたま市の造幣局さいたま支局で製造されている。博物館と工場を見学できるとあって、お金への関心が高いこの時期、訪れてみた。

同支局では通常の貨幣に加え記念品のプルーフ貨幣を主に製造しており、工場ではその工程を窓ガラス越しに見学できる通路がある。

工程の一つ「バレル研磨」では、貨幣になる一歩手前の材料「円形(えんぎょう)」が機器の振動によって鏡面仕上げされる様子を公開。機器から、ピカピカに輝く〝コインの卵〟が続々吐き出される模様はまさに圧巻だった。

次いで模様を付ける「圧印」の工程では、医療機器製造現場並みのクリーンルームで、防塵服を着用した作業員がまるで精密機器を取り扱うかのように一つ一つ作業。その真剣なまなざしが印象的だった。

普段何気なく使っている貨幣だが、お金は信用が大前提。工程を公開することにより、大勢の人の理解を得ようというのが工場見学の趣旨だそうだ。

博物館では和同開珎など古銭に加え、造幣局で製造されるオリンピックメダル、記念貨幣などが所狭しと並ぶ。その幅の広さ、歴史の深さを体感できる展示となっている。

中でも令和3年発行の500円硬貨は、2種類の金属板をサンドイッチ状に挟んだ「クラッド技術」などの最新の偽造防止技術が使われ、パネル展示で詳しく説明されている。

最近はスマートフォン決済に頼ることが増え、小銭の使用はめっきり減った。ただ、金属工芸品のように輝くプルーフ貨幣の美しさを間近に見ると、記念に一点持ちたくなる。そんな所有欲をくすぐられる訪問だった。(柳原一哉)

■造幣さいたま博物館 平成28年に東京都内から移転された造幣局さいたま支局に併設される博物館。古銭や貨幣、オリンピックメダル、勲章などを展示。工場見学もできる。年間入館者数は約5万人。ミントショップでプルーフ貨幣などの記念品の販売もある。

■アクセスガイド さいたま市大宮区北袋町1の190の22。JRさいたま新都心駅下車徒歩約12分。開館時間は午前9時~午後4時半(入館は午後4時まで)。休館日は毎月第3水曜、年末年始。工場見学は月~金曜、博物館休館日などを除く。いずれも無料。

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