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「日本のアニメ聖地88」にも選定 美術品としての人形に触れる 岩槻人形博物館  埼玉「館」巡り

産経ニュース / 2024年8月17日 11時0分

岩槻人形博物館の外観=さいたま市岩槻区

人形のまちとして知られるさいたま市岩槻区。主人公がひな人形店の若旦那でアニメ化もされた人気漫画「その着せ替え人形は恋をする」の舞台となり、2月にはアニメツーリズム協会の「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にも選定されている。

その岩槻にある岩槻人形博物館は、華やかなひな人形や品格高い御所人形など約5600点所蔵しており、入れ替えながら展示している。所蔵品の中で最も古いものは江戸時代の18世紀につくられた寛永雛(かんえいびな)だという。

また、人形のつくり方なども解説している。ひな人形の頭(かしら)は桐の粉に糊などをまぜたものを型に詰めてつくっている。ただ、このやり方は手間がかかるので、今では廉価品は石膏製の頭となっているのだそうだ。

館の学芸員、蟹沢真弓さんによると、岩槻で人形づくりが盛んになったのは、この桐の粉が入手しやすかったためだという。

「日本の人形文化を、人形の産地である岩槻から発信していこうというのがコンセプト」(蟹沢さん)という館は、人形を美術品として展示している。展示されている人形の造形や衣装などは、技術と美意識、遊び心が感じられる。

例えば、江戸時代につくられた「衣装人形 勅使行列」。京都の葵祭を題材にしたもので、御所車を引く5人のなかには、何か退屈しているような人がいるなどつくり込まれている。

また、人形を美術品として捉えるなら、避けて通れないのが経年劣化したものの修復。館がこれまで行ってきた修復についての企画展を9月8日まで開催している。

人形は木、和紙、布などさまざまな素材を組み合わせてつくられているため難しく、蟹沢さんが「他の博物館や一般の方からの問い合わせがある」と話すほどの技術を見ることができる。(半田泰)

岩槻人形博物館 日本画家で人形玩具研究科の西沢笛畝(てきほ)(1889~1965年)のコレクションをもとに令和2年2月にオープン。年間約4万人の来館者がある。開館時間は午前9時~午後5時。観覧料は小中学生100円、高校・大学生と65歳以上は150円、一般300円。

■アクセスガイド さいたま市岩槻区本町6の1の1。東武野田線岩槻駅から徒歩約10分。車では東北自動車道岩槻インターチェンジから約12分。隣接する「にぎわい交流館いわつき」と共用の駐車場あり。

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