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鈴木さん発祥の地で「鈴木サミット」 〝ライバル〟佐藤さんとの交流も

産経ニュース / 2024年11月9日 7時30分

全国の鈴木姓のルーツとされる鈴木屋敷。空き家となっていたが、令和5年に復元された=和歌山県海南市

鈴木姓発祥の地として知られる和歌山県海南市で17日、「第8回鈴木サミット」が開催される。サミットの開催は11年ぶりで、当初は鈴木姓や鈴木姓に興味を持つ人たちが中心となって行われていたが、今回は誰でも参加が可能。地元有志でつくる実行委員会は、全国で2番目に多い鈴木姓のルーツにあたることを広くPRすることで観光資源とし、地域活性化につなげたい考えだ。

鈴木姓は平安時代末期、紀伊半島南部の熊野地方から、現在の同市の藤白神社境内に移り住んだ藤白鈴木氏がルーツとされる。一族が熊野信仰を全国に伝えながらその場所に住み着いたり、信仰した人が鈴木姓を名乗ったりして全国に広がったとみられる。現在全国に約3千の熊野神社があり、広く活動を行っていたことがうかがえる。

サミットは、鈴木姓の人らが親睦を深める目的で、平成10年に秋田県羽後町で初めて開催して以降、海南市や熊本県天草市などゆかりの地で開催。25年に海南市で開催されたのを最後にしばらくとだえていた。

そうした中、鈴木姓の宗家が昭和17年に断絶するまで代々住んでいた藤白神社境内にある屋敷を、令和5年に全国の鈴木さんや企業から寄付を受けて「鈴木屋敷」として市が復元。今回、同屋敷のPRを兼ねてサミットを開催することになった。

17日は午後1時半から同4時まで、同市日方の海南保健福祉センターをメイン会場に、地元に伝わる藤白の獅子舞演舞を披露するほか、鈴木姓の人たちでつくる「関東藤白鈴木会」の活動報告やお笑いコンビ「キャイ~ン」のウド鈴木さんらの応援メッセージが上映される。全国最多で鈴木姓の〝ライバル〟にあたる佐藤姓の人でつくる「佐藤の会」も参加して交流する。参加無料。

鈴木さんに限り、鈴木屋敷の拝観料が17~23日に無料になるほか、市立図書館「海南nobinos」(同市日方)では17日、館内の蔵書から鈴木姓の登場人物などを見つけると先着100人にプレゼントがある。また、道の駅「海南サクアス」(同市下津町小南)でも同日、鈴木姓が全国に広まった経緯から、スズキ製のバイクや車で訪れた場合、「鈴木大躍進」と記されたステッカーが配られる。

実行委の神出勝治委員長は「多くの人の協力があって復元された鈴木屋敷を全国の鈴木さんだけでなくいろんな方に見てもらえたら」と話している。

問い合わせは、鈴木サミット実行委員会事務局(073・482・1123)。

日本の名字や家系の調査・研究を手がける株式会社リクスタ(千葉)が運営するサイト「名字由来net」によると、10月時点で全国で最も多い名字が佐藤姓で約181万3千人。鈴木姓は約175万7千人で2番目に多い。

一方、鈴木姓発祥の地とされる和歌山県で多いのは、山本姓(約1万8100人)、田中姓(約1万2400人)、中村姓(約7400人)などで、鈴木姓は14番目で約4700人にとどまる。

鈴木姓が多い地域は、東京都(約25万3千人)、愛知県(約19万9千人)など。人口比率でみても、静岡県(約5・28%)、福島県(約4・21%)、山形県(約3・46%)と東日本に集中している。

名字由来netの広報担当者は「鈴木さんは熊野信仰の広がりとともに全国へ移り住んでいったとされている。特に太平洋岸に沿って東側に多く広まっていったようだ」と分析。一方、鈴木サミット実行委の神出勝治委員長は「鈴木姓の人々が海南にとどまることなく、全国で活躍していて、うれしく思う」と話している。

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