「選択を正解に」元阪神・鳥谷敬さんが履正社高校で講演会

高校生らに講演する鳥谷敬さん＝大阪府豊中市の履正社高校

高校生に将来を考えるきっかけにしてもらう「高校生のための文化講演会」（産経新聞社・一ツ橋文芸教育振興会主催、文部科学省・集英社後援）が19日、大阪府豊中市の履正社高校で行われた。阪神タイガースなどで活躍した元プロ野球選手、鳥谷敬（たかし）さん（43）が「選択を正解にするために」と題して講演。将来の進路にからみ「選択したことを正解に変えるための努力を続けてほしい」とエールを送った。

高校生を対象にした講演会で、文化人や研究者らを講師に招いて全国で開催。運動部に在籍している競技コースの1～3年生約400人が参加した。

2千本安打を放ち名球会入りした鳥谷さんは18年間に及ぶプロ生活で、目標設定▽時間の使い方▽数字の怖さ▽個人の役割▽終わりを考える－の5つを学んだと語った。平成15年のドラフトで阪神に入団した際「40歳でショートを守る」という目標を設定。目標に向かい、何をやるべきかを考え続けてきたという。

令和元年に阪神から戦力外通告を受けたが「いつ野球ができなくなるかわからないと常に意識していたので、すぐに違うチームでやろうと切り替えられた」と振り返った。そのうえで「どんな状況になっても自分の価値は変わらない」とメッセージを送った。

サッカー部主将の佐藤桧斗さん（18）は「チームとして日本一になるという目標があるが、個人としての目標もある。プレッシャーを感じるときもあるので、鳥谷さんの講演は心に響いた」と話していた。

同振興会から集英社文庫100冊が寄贈された。この日は同校のほか、府立四條畷高（四條畷市）でも同様の講演会が行われた。