私財投じて石の橋に架け替え…江戸時代の医師の物語が冊子に
産経ニュース / 2024年6月14日 11時8分
奈良県明日香村の歴史について、親しみやすい絵を添えて紹介する冊子「豊年(ほうねん)橋の謂(いわ)れ」を明日香村文化協会が刊行し、村内の全保育園や幼稚園児、小中学生らに配布した。江戸時代の医師、服部宗賢(そうけん)が築いた橋にまつわる物語で、冊子として3作目。1、2作は大化の改新のきっかけとなった「乙巳(いっし)の変」など飛鳥時代がテーマだったが、初めて近世にスポットを当てた。同会は「飛鳥といえば古代史が注目されるが、村人のために力を尽くした先人のことを子供たちにも知ってほしい」としている。
同会は昭和53年に発足し、会員は村内外の歴史愛好家ら約350人。講演会を開催しているほか、会報誌を年1回発行し、研究者らの寄稿や会員の俳句などを掲載している。ただし学術的な内容も多く、数年前から郷土の歴史を分かりやすく伝えようと絵を添えた冊子を刊行している。
「豊年橋の謂れ」は、同村生まれで高取藩お抱え医師の服部宗賢が、高取川に架かる橋が大雨で流されたため私財を投じて石の橋を築くと、その後は橋が流されることなく豊作の年が続いたため「豊年橋」と呼ばれた-というストーリー。現在はコンクリート製の橋に架け替えられたが、近鉄・飛鳥駅近くのこの橋のたもとには、宗賢の遺徳を伝えるため、石橋から作られた記念碑が建てられている。
冊子の絵は、同会会員の知人で奈良県橿原市在住の野田淑子さんが担当。豊年橋の物語を孫のために色鉛筆で描いて手作り絵本にして読み聞かせていたのを同会側が知り、冊子用に描いてもらった。玉井章進事務局長は「とても温かい雰囲気の絵で、子供たちに親しんでもらえるのでは」と話す。
冊子はB5判32ページで1200冊発行。非売品だが、同会(年会費2千円)会員になれば配られる。問い合わせは明日香村文化財課内の同会(0744・54・5600)。
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