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ウクライナ避難民の詩と写真、坂茂氏「紙の間仕切り」使い展示 東京・豊洲で20日まで

産経ニュース / 2024年10月18日 20時58分

「紙の間仕切りシステム」を使用した展示=有元史郎記念校友会館交流プラザ

建築家の坂茂氏がウクライナ避難民に提供した「紙の間仕切りシステム」をキャンバスに見立てた展覧会「ペーパー・サンクチュアリ ―ウクライナ難民の現実と詩―」が、東京都江東区豊洲の芝浦工業大で開かれている。ロシアによる侵略から間もなく2年8カ月。終わらぬ戦禍に翻弄される人々の悲痛な心情を伝えている。

「PPS(Paper Partition System)」と呼ばれる同システムは、再生紙でできた紙管で柱やはりを作り、布をカーテンとして使う。平成16年に発生した新潟県の中越地震の際、長い避難所生活を強いられる避難者のプライバシー保護を目的として、坂氏が小屋状にしたPPSを考案した。

23年の東日本大震災では、岩手や宮城、福島などの被災地計50カ所に1800以上のPPSを提供。その後も、新型コロナウイルス感染拡大時の受け入れ施設や、近隣国にできたウクライナ人避難所、今年1月の能登半島地震の避難所などで活用されている。

《涙なしに過ごせる日は一日もなかった》《帰る場所がない》。坂氏が特別招聘教授を務める同大豊洲キャンパス内の有元史郎記念校友会館交流プラザでは、PPSで組み立てられた空間に、フェイスブック上に寄せられた「故郷の記憶」と題する避難民の詩と写真約40点が印刷されて飾られている。

会場入り口近くでは、坂氏のインタビューも放映。「自分の建築に関する知識や経験で、一般社会に貢献できないかと考えた」と、災害ボランティアを始めた理由などを語る。モニター前に用意された椅子も太い紙管で作られている。

紙管を使用するようになったきっかけは、20世紀を代表するフィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトの展覧会開催。同じように木を多用したデザインを考えたが、「独自の構造を作りたいという思いがあった。予算やごみの量も考慮し、事務所にたくさんあったトレーシングペーパーやファクスロールの芯を使おうと思いついた」(坂氏)。

同大が行ってきた災害支援活動なども展示。同大企画広報課の堀口裕司さんは「地域の方にも活動を知ってもらいたい」と話している。20日まで、入場無料。(堀川玲)

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