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消費低迷の脱脂粉乳 パン配布イベント「マッスル・ベーカリー」で高たんぱくアピール

産経ニュース / 2024年11月28日 18時30分

6つに割れた腹筋、シックスパックをイメージした「シックスブレッド」

脱脂粉乳(スキムミルク)の消費低迷で国内在庫が増加するなか、JA全農(全国農業協同組合連合会)は29日から、利用促進のためのイベントを東京・表参道で開催する。脱脂粉乳が低脂肪で高タンパクであることから、「マッスル・ベーカリー」として、脱脂粉乳を使用したパンを筋骨たくましいマッチョな店員が無料配布するユニークなもので、イメージアップや認知拡大を狙う。

「飼料やエネルギー価格の高騰、牛乳需要の減少などが酪農経営を圧迫し、厳しい状況が続いている」

28日に行われた報道向けの内覧会で、JA全農の酪農部次長、服部岳さんは酪農の苦境を語った。全国的に離農が進み、牛乳の安定供給が危ぶまれている。

生乳は保存がきかないため、学校給食が休止される冬や夏は生乳から分離した生クリームから乳脂肪分がバターに、脱脂乳から脱脂粉乳にそれぞれ加工される。

新型コロナウイルス感染症の収束による外食、観光などの活性化でバターは需要が拡大。令和6年度には在庫量が減少し、追加輸入も行われた一方、脱脂粉乳は需要が減少している。Jミルクの発表によると、令和6年度末時点で6万5300トンとなり、前年度末と比べ、36・7%在庫が増加する見通しだという。

服部さんによると、脱脂粉乳が在庫を抱えている状況のため、バターの需要が大きくても、生産を増やすことができない悪循環に陥っているという。

脱脂粉乳は、戦後給食で牛乳の代用品として米国産が提供され、「おいしくない」とのイメージが根強く、若い世代には認知度が低い。ただ、現在の国内で製造される脱脂粉乳は「ミルクの風味も感じれられて味もよく、少ないエネルギーでタンパク質やカルシウムを補うことはできる」と服部さんは魅力を語る。

「マッスル・ベーカリー」は、「いい筋肉の日」にかけた11月29日(金)から12月1日の3日間、イベントスペース「ZeroBase表参道」で行うイベントで、IT企業「カヤック」が企画・制作を担当した。

脱脂粉乳を使ったパンとドリンクをマッチョな店員から提供してもらえるユニークなイベントで、パンは、6つに割れた腹筋、シックスパックをイメージし、タンパク質を8・7グラム含んだ「シックスブレッド」など5種類、タンパク質を14・3グラム含むチョコレートドリンク「マッチョコオレ」など3種類のドリンクからそれぞれ1つずつ選ぶことができる。

店内では、脱脂粉乳を「パワーパウダー」と言い換え、栄養素などを説明。カヤックのプロデューサー、田路真也さんは、「楽しくスキムミルクを覚えてもらえたら」と話した。

店員は、「筋肉紳士集団ALLOUT」に所属するマッチョたちで、代表のAKIHITO(小原明人)さん(39)は、「普段の食事は鶏むね肉とかですが、食事制限しないチートデイの食事やスイーツに加えて、タンパク質がとれるのはいいですね」と笑顔で語っていた。

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