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心霊スポットのタクシー巡礼はいかが 10年目迎えた夏のゾッとする風物詩

産経ニュース / 2024年7月11日 22時13分

多くの参加者が〝何か〟を感じ取るという高速道路下の通路(宇都木渉撮影)

怖いもの好きの圧倒的な支持を受け、今年でついに10年目を迎えた。「心霊スポット巡礼ツアー」は、1都2県に事業所を構える「三和交通」(横浜市)が平成27年から展開している夏のイベントで、その名のとおり、夜中にタクシーで〝何か〟が出るという土地を巡り、ひとときの涼を得るというもの。評判が評判を呼びこれまでの平均倍率は28倍。今年も多くの参加希望者が名乗りを上げるなか、産経新聞はひと足早く体験取材に赴いた。そこで遭遇してしまった現象が…。

「要誓約書」

ほかのタクシー会社ではまず聞いたことのない、心霊スポットを巡るこの企画。広報担当者によると、10年前にこうした奇抜なアイデアを思いついたのは同社の吉川永一(ながいち)社長本人だったそうで、以来毎年、乗務社員がふだん車を走らせるなかで「怖い」と感じた場所や瞬間を報告してもらい、参加者に還元してきた。

ツアーは本社のある横浜をはじめとする4営業所で行っており、今回は「最恐」の呼び声高い東京・八王子営業所を訪ねてみた。ホームページでのコース紹介では、「恐怖度」が星7つ、「デート度」は星1つ。ドライバー兼ガイドに指名されたのは、怖がりを自認する入社4年目の竹中友視さん(26)で、あいさつもそこそこに「いまから行く場所を考えるだけで気が重いです」といわれてしまった。

「参加後に心身等に異常をきたしたとしても、主催者側に責任を問わない」などと書かれた誓約書にサインをし、JR八王子駅南口からタクシーは滑り出した。同営業所が実施するツアーは本来、多摩の恐怖スポットを夜通し巡る8時間コースだが、今回は3時間分に凝縮してもらった。

多くの参加者がおかしな気配を感じ取るという高速道路下の通路、近くの沢で亡くなった女性が現れるとウワサされるうら寂しいバス停、取り壊されることもなく放置されて何年もたつ廃病院など、薄気味悪い場所を回りながら、2時間ほどたつと、タクシーは細い峠道にさしかかり停車した。

突然スマホが

目の前にはゲートが閉じられていて、そこから先は車では入っていけない。これから15分ほど、閉鎖された山道を歩いて「関東屈指の心霊スポット」に向かうという。

道の両側には夏草が競うようにして生い茂り、外灯はない。記者と竹中さんがそれぞれ手にする懐中電灯が唯一の明かりだというのに、どういうわけか道を半分ほどきたところでその片方が急に点灯しなくなった。心細くなっていると、竹中さんから「何かヘンなものが出てきたら私、全力で逃げるので許してください」と不穏な言葉が放たれ、緊張はピークに。そんななか、ようやく現れたのが、大正時代に掘られたというレンガ造りのトンネルだった。

なんともいいがたい不気味な空気が漂うなか、スマートフォンを取り出し、何枚か写真を押さえていると最後にイヤな展開が待っていた。細部を確認しようと指で画面を何度なぞっても固まってしまい、いっこうに反応を示さなくなってしまったのだ。突然のできごとにあっけに取られていると、その横で「やっぱりそうなりましたか」と竹中さん。やっぱりって…。

ホームページ上で「お化け屋敷ではありません。ガチです」とうたう三和交通の心霊スポット巡礼ツアー。今年は15日正午まで抽選予約の受付を行い、19日に当選者を発表する予定という。ゾッとしたい方は手を挙げてみては。詳細は、https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/2024summer/

(宇都木渉)

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