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成人年齢18歳から3度目「成人の日」 18歳対象式は定着せず、専門家「意義考えて」

産経ニュース / 2025年1月13日 18時34分

令和4年施行の改正民法で成人年齢が18歳に引き下げられてから3度目の「成人の日」となった13日、各地で門出を祝う式典が開かれた。ただ、改正当初からほぼ全ての自治体が対象を20歳で据え置き、18歳としていた数少ない自治体でも20歳に戻す動きが目立つ。専門家からは、成人年齢と式典対象年齢の齟齬(そご)を疑問視する声も漏れる。

20歳対象の成人式を再開へ

三重県伊賀市は、令和5年から2年続けて「18歳成人式」を開催してきたが、昨年の市長選で新人の稲森稔尚氏が当選すると、式典の取りやめを決定。対象を20歳とする従来通りの「成人式」を9年から再開することになった。

市教育委員会の担当者によると、18歳成人式の開催趣旨は「大人としての自覚を促すためだった」という。しかし、飲酒や喫煙の制限がなくなる「20歳の方が大人を自覚できる」といった反対意見も相次ぎ、稲森市長が式典対象を「20歳」に戻すことを決めた。

大分県国東市も5年に18歳成人式を実施したが翌年から20歳対象に戻した。18歳成人式実施後のアンケートで、反対意見が最多を占めたことが理由だという。

ただ、18歳成人式を続ける自治体もある。

宮崎県美郷町は4年以降、高校3年生年代を対象とした「18歳成人式」を実施してきた。受験などを配慮して毎年8月に行っているという。

町教委の担当者は「18歳になることで、できることが増え、責任も発生する。自覚を持ってもらうためだ」と説明。これからも18歳成人式を続けていくとしている。

18歳形式では晴れ着減少、和装業界に打撃も

成人式をめぐっては4年に成人年齢が引き下げられて以降も、ほぼ全ての自治体などが式典の対象年齢を「20歳」のままにし、名称を「二十歳の集い」などに変更して実施している。

18歳に移行すれば、学生服での出席が増え、晴れ着の若者らが減り、打撃を受ける和装業界との兼ね合いも自治体の20歳対象維持に影響しているとみられている。

上智大の田中治彦名誉教授(生涯学習)は「成人式は成人の権利と義務を伝える儀礼の場だ。ただ、今は同窓会的な側面が強くなっており、式以外の部分が中心となっている。式典に税金が使われる以上、自治体や若者も、その意義を考えないといけない」と話している。(山本玲)

国調査、ほぼ全自治体が対象年齢据え置き

成人年齢引き下げに際し、国などが実施したアンケートでは、大人への自覚を促すために「式」は必要だとする一方、ほぼ全ての自治体が18歳成人式は選択しなかった。

全国高等学校PTA連合会が平成30年12月~31年1月に加盟校に実施した調査では、成人式の意義は«人生の節目として将来について考える機会になる»«大人になった自覚を促す»が高い割合を示した。

ただ、法務省の令和3年度の調査では、18歳成人式を検討している自治体はわずかで、実際にほぼすべての自治体が18歳成人式は行わず、対象年齢を20歳などに据え置いた。

その理由について«18歳の1月に実施すると受験と重なり出席者が減少する»«進学や就職から時間をおいて実施することで、さまざまな経験を友人と共有することができる»などが多く選ばれていた。

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